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2022/7/3 更新

カンタン解説!小規模宅地等の特例とは?
節税したい「土地持ちさん」必見!

こんにちは。相続税理士の天尾です。

今回のテーマは、「小規模宅地等の特例」。

 

代表的な節税対策の1つですが、どんな特例なのかイマイチ把握しきれていない人もいるかもしれません。

土地の相続には「必須級」とも言える超重要な特例です。

 

まずは基礎知識を押さえ、お得で安心な相続に向けた備えを始めてみましょう。

 

「名前は知っているけど、どんな制度か分からない」
「まずは基礎知識をサックリ身に付けたい」

 

こんな方はぜひ、読んでみて下さい。

 

本記事では、相続界では当たり前な専門用語をなるべく使わずに解説。

堅苦しい文面が苦手な方にもおすすめな内容となっています。

 

また、節税効果が一目瞭然な「比較検証」付き。

特例を使えばどのくらいお得になるのか、具体的な相続税額を計算し比べてみました。

 

読み終えた頃には基礎知識はばっちり!

気軽にざっくり目を通してみて下さい。

 

まずはざっくり!「小規模宅地等の特例」とは?

まずはどんな特例なのか、全体的な内容をざっくり把握しておきましょう。

主なポイントは3つ。

 

簡単にまとめると以下のとおりです。

◆・「小規模宅地等の特例」はこんな特例・◆

相続した「土地」に使える

 

家などの建物には使えません。

 

土地の「評価額」を下げることができる

 

評価額の「80%」または「50%」OFF。

評価額を下げることで、相続税を減らすことができます。

 

「上限面積」まで適用できる

 

土地が複数あっても、上限面積までなら適用OK。

上限を超えた部分には特例は適用されず、通常どおりの評価額となります。

 




・・・こんな人はとくに効果的!・・・


... 土地は狭いが価格が高い、「都心の土地」がある人

... 小さな土地が「いくつも」ある人
 


 

Check!

・・・【注意点】・・・

 

相続時精算課税制度を使って贈与された土地」は対象外

一度申告したら「修正・再提出できない

申告必須」(特例を使って相続税がゼロになったとしても必要)

申告期限までに「遺産分割を終え申請」しなければ適用できない 

 

... 「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告期限までに提出すれば、後からでも適用OK

「小規模宅地等の特例」が使える土地

 

土地であれば何でもいいわけではありません。

特例が適用できる土地の「必須条件」は2つ。

 

どちらか一方でも条件が欠けている場合、特例を使うことは出来ません。

 



【必須条件①】


★・「故人名義の土地であること」・★

(他人名義の土地はNG)


 


【必須条件②】


★・建物または構築物がある土地であること・★

(何もない更地はNG)


 

「小規模宅地等の特例」はタイプ別に適用される

 

小規模宅地等の特例は、「4タイプの総称」。

相続する土地の使用目的によって、適用される特例タイプと条件が異なります。

 



・・「小規模宅地等の特例」は4タイプ・・



「特定居住用宅地等」
家の敷地に適用



「貸付事業用宅地等」
貸付事業を経営している土地に適用



「特定事業用宅地等」
貸付以外の事業を経営している土地に適用



「特定同族会社事業用宅地等」
同族会社に貸し付けている土地に適用

 

 

ここではタイプ別の条件について解説します。

土地を相続する相続人にも条件があるため、必ずチェックしておきましょう。

 

 

Type.①-1 ~特定居住用宅地等~

★・【家の敷地】・★

「減額割合」&「上限面積」



減額割合

評価額「80%」OFF


上限面積

330㎡


 

対象になる土地

 

「故人自身が住んでいる家」の敷地

「故人と同一生計の親族が住んでいる家」の敷地

 



・・・Point・・・

一戸建て住居はもちろん、
分譲マンションの敷地にも適用OK。

 

相続人の条件:「配偶者」



「無条件で特例が適用」


・・・Point・・・

相続税の申告期限前に故人の家を売っても、特例が使える。
 

相続人の条件:「親族」





故人と「同一生計の親族」であること

 




相続税の申告期限まで故人の家に「居住」し、「所有」していること


・・・Check・・・

相続税の申告期限前に故人の家を売ってしまうと特例の対象外。

 

Type.①-2 ~特定居住用宅地等(家なき子)~

★・【家の敷地】・★
相続人が「賃貸住宅」に住んでいる時

「減額割合」&「上限面積」



減額割合

評価額「80%」OFF


上限面積

330㎡


 

故人の条件

 

故人に配偶者がいないこと

相続人となる親族と同居していないこと

 


相続人の条件





相続開始前の「3年間」、以下「持ち家」に住んでいないこと


「相続人本人」の持ち家
「相続人の配偶者」の持ち家
「相続人の3親等内の親族」の持ち家
「相続人と特別な関係にある法人」の持ち家

 




「相続開始時点の住居」を、過去に「所有したことがない」こと


・・・Point・・・

相続人に持ち家があっても、実際の住居が賃貸住宅であればOK。
(持ち家は他人に貸しているなど。)

 




相続税の申告期限まで故人の家を「所有」していること

 

Type.② ~貸付事業用宅地等~

★・【貸付事業を経営している土地】・★

「減額割合」&「上限面積」



減額割合

評価額「50%」OFF


上限面積

200㎡

 

対象になる土地

 

「故人が事業主」として経営していた土地

「故人と同一生計の親族が事業主」として経営していた土地

 



・・・Point・・・

 
「やむを得ない理由」で相続人が事業主になれない場合、
別の親族が事業主でもOK。
(例:相続人が未成年)
 
相続人が「他の会社に勤務」または「別の仕事」をしていても、
事業主であればOK。


 

土地の上に「建物・構築物」があること

 

アパートやマンションの賃貸物件

駐車場

自転車駐輪場  etc.


・・・Point・・・

小遣い稼ぎレベルの小規模な事業でも対象。

 

・・・Check・・・

青空駐車場や資材置き場など、
舗装されていない「更地」は対象外。

 

相続人の条件





「相続開始前」から、その土地で事業経営していること


 




事業を始めてから相続開始まで、「3年以上経過」していること

 




相続税の申告期限まで「事業を引き継いで経営」していること


・・・Check・・・

申告期限前に事業をやめると対象外。

 




相続税の申告期限まで土地を「所有」していること

 

Type.③ ~特定事業用宅地等~

★・【貸付以外の事業を経営している土地】・★

「減額割合」&「上限面積」



減額割合

評価額「80%」OFF


上限面積

400㎡

 

対象になる土地

 

「故人が事業主」として経営していた土地

「故人と同一生計の親族が事業主」として経営していた土地

 



・・・Point・・・

 
「やむを得ない理由」で相続人が事業主になれない場合、
別の親族が事業主でもOK。
(例:相続人が未成年)
 
相続人が「他の会社に勤務」または「別の仕事」をしていても、
事業主であればOK。


 

土地の上に「建物・構築物」があること

 

個人商店

料理店

事務所

工場

倉庫  etc.


・・・Check・・・

青空駐車場や資材置き場など、
舗装されていない「更地」は対象外。

 

相続人の条件





「相続開始前」から、その土地で事業経営していること


 




事業を始めてから相続開始まで、「3年以上経過」していること

 




相続税の申告期限まで「事業を引き継いで経営」していること


・・・Check・・・

申告期限前に事業をやめると対象外。

 




相続税の申告期限まで土地を「所有」していること

 

Type.④ ~特定同族会社事業用宅地等~

★・【同族会社に貸し付けている土地】・★

「減額割合」&「上限面積」



減額割合

評価額「80%」OFF


上限面積

400㎡

 

対象になる土地

 

故人所有の土地を自ら経営する会社(同族会社)に「有償で」貸し、「同族会社の事業用」として使われている土地が対象。

 

Point

同族会社が使っている「建物名義」で、適用可否を判断します。(土地は故人名義必須)

 



【caseⅠ】

★・「故人名義の土地」×「故人名義の建物」・★



適用条件

土地・建物ともに、「有償」で同族会社に貸し付けていればOK。


・・・Check・・・

「無償」(タダ)で貸している場合は対象外。
その地域の相場よりも「格安価格」で貸している場合も対象外。

 


【caseⅡ】

★・「故人名義の土地」×「同族会社名義の建物」・★



適用条件

土地を「有償」で同族会社に貸し付けていればOK。


・・・Check・・・

「無償」で(タダで)貸している場合は対象外。
その地域の相場よりも「格安価格」で貸している場合も対象外。

 


【caseⅢ】

★・「故人名義の土地」×「故人と同一生計親族名義の建物」・★



適用条件
(以下2つに当てはまっていればOK)



故人は、「無償」で同一生計の親族に土地を貸している。


同一生計の親族は「有償」で同族会社に貸し付けている。


・・・Check・・・

同一生計の親族が「無償」(タダ)で貸している場合は対象外。
その地域の相場よりも「格安価格」で貸している場合も対象外。


・・・Point・・・

故人が「有償」で同一生計の親族に貸し付けている場合、
別タイプの小規模宅地等の特例が適用される可能性あり。

(条件については、Type.②をCheck)

 

同族会社の条件





以下の人の「持株割合の合計」が、
「50%超え」の会社であること




「故人」

「故人の配偶者」

「故人の6親等内の血族」

「故人の3親等内の姻族」(配偶者の血族)

「故人と特別な関係にある人」


・・・・・・



「故人と事実上の婚姻関係がある人」

「故人の使用人」

「故人から金銭・その他資産を受け、生計を維持している人」

「支配関係にある法人」

etc.


・・・Point・・・

故人自身が株式を持っていなくても、他の人で50%超えていればOK

 




相続税の申告期限まで継続して土地を借り、
事業用に使っていること


 




「貸付以外の事業」を行っている会社であること


(製造業、小売業など)


・・・Point・・・

以下のような「貸付事業」を行っている場合、
別タイプの小規模宅地等の特例が適用される可能性あり。

(条件については、Type.②をCheck)


「不動産賃貸業」

「駐車場業」

「自転車駐輪場業」

 

土地の上に「建物・構築物」があること

 

建物は故人名義でなくてもOK(土地は故人名義必須。)


・・・Point・・・

「社宅の敷地」も特例対象。
(貸付業務扱いになりません。)

 

・・・Check・・・

青空駐車場や資材置き場など、
整備されていない「更地」は対象外。


故人の親族のみが使用している社宅は対象外。
(Type.②の条件を満たしていれば、50%OFF)
 

「相続人の条件」





相続税の申告期限まで、土地を「保有」していること。

 




相続税の申告期限まで、引き続き「事業経営」していること。

 




相続税の申告期限時点で、「同族会社の役員」であること。


・・・Point・・・

株主である必要はない。
(株式を持っていなくてもOK)


相続開始時に役員でなくとも、申告期限までに就任していればOK

土地を相続する人だけ役員であればOK
(故人やその他親族については考えなくて良い)


役員でない相続人が土地を取得する場合、
別タイプの小規模宅地等の特例が適用される可能性あり。

(条件については、Type.②をCheck)

 

★・お役立ちmemo・★

【同一生計の親族】

 

 

 

 

 

 

 

生活費などを「共有」している親族。

今回の場合、相続人に支払い負担がなく「故人に養ってもらっている親族」が対象です。

同居・別居は関係なく、経済面で判断します。

 

・・・【故人と同一生計になるケース】・・・

故人と同居。生活費などは故人が支払っている。

故人と別居。生活費などを仕送りしてもらっている。

etc.

 

・・・【故人と同一生計にならないケース】・・・

故人と同居。水道光熱費や食費の支払いは別。(二世帯住宅)

etc.

 

比較検証!「小規模宅地等の特例」どのくらいお得?

 

結局のところ、小規模宅地等の特例を使えば「どのくらい相続税が減る」のでしょうか?

 

ここでは簡単な比較検証を、2パターンご用意。

特例の有無でどれだけ差が出るのか、具体的な相続税額を計算し比較してみました。

 

気になる人は、チェックしてみて下さい。

 

その①

★・土地面積が「上限面積以内」・★



・・・Data・・・


土地の評価額
「5,000万円」

土地の面積
「300㎡」

土地タイプ
「家の敷地」

減額割合
「80%」

上限面積
「330㎡」

その他遺産額
「2,000万円」

相続人
「子1人」

 

「特例なし」

 

◆:「遺産の総額」

= 5,000万円 + 2,000万円

= 7,000万円

 

◆:「相続税の基礎控除額」

= 3,000万円 + 600万円 × 相続人1人

= 3,600万円

 

◆:「相続税の課税対象額」

= 7,000万円 - 3,600万円

= 3,400万円

 

◆:「相続税額」

= 3,400万円 × 20% - 200万円

  480万円 

 


「特例あり」

 

◆:「減額できる土地の評価額」

= 5,000万円 × 80%

= 4,000万円

 

◆:「特例使用後の土地の評価額」

= 5,000万円 - 4,000万円

= 1,000万円

 

◆:「遺産の総額」

= 1,000万円 + 2,000万円

= 3,000万円

 

◆:「相続税の基礎控除額」

= 3,000万円 + 600万円 × 相続人1人

= 3,600万円

 

◆:「相続税の課税対象額」

= 3,000万円 - 3,600万円

=  0円 

 

◆:「相続税額」

= 0円

 


A
... 特例を使えば「480万円」お得 ...

その②

★・土地面積が「上限面積超え」・★



・・・Data・・・


土地の評価額
「5,000万円」

土地の面積
「500㎡」

土地タイプ
「家の敷地」

減額割合
「80%」

上限面積
「330㎡」

その他遺産額
「2,000万円」

相続人
「子1人」

 

「特例なし」

 

◆:「遺産の総額」

= 5,000万円 + 2,000万円

= 7,000万円

 

◆:「相続税の基礎控除額」

= 3,000万円 + 600万円 × 相続人1人

= 3,600万円

 

◆:「相続税の課税対象額」

= 7,000万円 - 3,600万円

= 3,400万円

 

◆:「相続税額」

= 3,400万円 × 20% - 200万円

  480万円 

 


「特例あり」

 

◆:「減額できる土地の評価額」

=(5,000万円 × 330㎡ / 500㎡)× 80%

= 2,640万円

 

◆:「特例使用後の土地の評価額」

= 5,000万円 - 2,640万円

= 2,360万円

 

◆:「遺産の総額」

2,360万円 + 2,000万円

= 4,360万円

 

◆:「相続税の基礎控除額」

3,000万円 + 600万円 × 相続人1人

= 3,600万円

 

◆:「相続税の課税対象額」

4,360万円 - 3,600万円

= 760万円

 

◆:「相続税額」

760万円 × 10%

  76万円 

 


A
☆... 特例を使えば「404万円」お得 ...☆

【Q&A】こんな場合も「小規模宅地等の特例」使える?

最後に、よくある特例の疑問3つをご紹介。

知らずに損をしてしまわないよう、ざっと目を通しておきましょう。

Q1

★・「二世帯住宅」は特例対象?・★



A

住宅を「共有名義」にしていなければ、
土地全体が特例対象。


 

 

Point

 

「区分所有登記」の場合は、故人名義の部分だけが特例対象となります。

土地全体に特例を使うためには、司法書士や土地家屋調査士による手続きで解消する必要あり。

 

他にも以下条件に当てはまっている必要があります。

 




土地は「故人名義」であること。



「同じ1棟の家」に住んでいること。



故人に「土地の使用料」を支払っていないこと。
(無償で借りていること。)

 

Q2

★・「故人が老人ホーム」に入居していても特例対象?・★



A

以下条件クリアで特例対象。


 

 

以下、すべてに当てはまっている必要があります。

 





「要介護認定」または「要支援認定」を受けていたこと。


・・・Point・・・

認定の申請中に相続が発生しても、
その後に認定を受ければ、特例対象。


 




以下「対象の老人ホーム」に入居していたこと。


養護老人ホーム

特別養護老人ホーム

軽費老人ホーム

有料老人ホーム

介護老人保健施設

介護医療院

サービス付き高齢者向け住宅

 




老人ホーム入所後、以下のような行為をしていないこと。


「家を他人へ貸す」

「他の使用目的のために利用する」

 

Q3

★・「青空駐車場」は特例対象?・★



A

「更地」のままでは対象外。


 

 

Point

 

小規模宅地等の特例を使うためには、「建物」「構築物」が必須。

土地の上に何も無ければ、特例の対象外です。

 

なお、「アスファルト」は構築物扱い。

舗装工事をすれば特例の対象となります。

 



・・・簡易的な駐車場は対象外・・・


土地に線を引いただけ

塀があるだけ

アスファルト舗装していない

 

【最後に】この記事のまとめ

  • 小規模宅地等の特例とは、「土地」に使うことができる制度
  • 土地の評価額を「80%」または「50%」下げ、相続税を減らすことができる
  • 特例が使える面積には「上限」があり、超えた部分には適用されない
  • 「建物」「構築物」が必須で、舗装されていない「更地」は対象外
  • 土地の使用目的によって、「適用される小規模宅地等の特例タイプ」は変わる

 

大きな節税効果が期待できる「小規模宅地等の特例」。

土地を相続するのであれば、必ず押さえておきたい必須級の特例です。

 

しかし反面、計算や手続きは複雑です。

一度申告したら修正もできないため、個人で手続きをするのはあまりお勧め出来ません。

申告ミスをすれば、税務署からのペナルティを受けてしまう可能性もあるためです。

 

 

◆:「確実に節税したい」

◆:「自分で申告をしようと思っていたけど、やっぱり不安」

◆:「ペナルティは絶対イヤ」

 

 

無駄なリスクを回避し、不安なく相続対策をしたいのであれば、やはり専門家への相談がベスト。

報酬はもちろん発生しますが、相応のメリットもたくさんあります。

 

とくに税務署対策や節税対策を重視するのであれば、前向きに検討してみましょう。

小規模宅地等の特例はもちろん、もっとお得になる方法も見つかるかもしれません。

まずは無料相談を利用し、悩んでいることを話してみましょう。

 

 

相談先で困っている方やお急ぎの方。

ぜひ一度お気軽にご相談下さい。

 

 

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