相続手続きの流れ|期限一覧と誰に頼むかの判断【税理士が解説】
監修:天尾信之(税理士・登録番号 第136528号/税理士法人Ambitious 代表)
相続・事業承継の相談実績3,000件超/税務調査率1%未満。YouTube「まるごと安全相続ch-あまおう税理士」運営(登録者4.2万人)。
事務所所在地:東京都新宿区西新宿7-19-5 KYS西新宿ビル1F(西新宿駅 徒歩2分)
公開日:2026年8月9日 最終更新日:2026年8月15日
【結論】相続手続きは「期限のあるもの」から逆算して進めます
相続手続きには40種類以上ありますが、順番に片づけていくものではありません。期限のあるものから逆算して進めます。
特に重要なのは4つです。相続放棄は3か月以内、所得税の準確定申告は4か月以内、相続税の申告と納付は10か月以内、相続登記は3年以内。
このうち3か月と10か月を過ぎると、取り返しがつきません。 相続放棄は期限を過ぎると借金も相続することになり、相続税の申告が遅れると加算税と延滞税がかかります。
逆に、死亡届や年金の停止といった数日単位の手続きは、遅れても後から出せます。急ぐべきものと、急がなくてよいものを分けることが最初の一歩です。
| 期限 | 手続き | 過ぎるとどうなるか |
|---|---|---|
| 7日以内 | 死亡届の提出 | 火葬許可が下りず、葬儀が進められない |
| 10〜14日以内 | 年金の受給停止、健康保険・介護保険の資格喪失届、世帯主変更届 | 年金を受け取り続けると後から返還を求められる |
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認 | 単純承認となり、借金も相続する |
| 4か月以内 | 所得税の準確定申告 | 無申告加算税・延滞税 |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納付 | 無申告加算税・延滞税。特例が使えなくなる場合もある |
| 1年以内 | 遺留分侵害額請求 | 請求権が消滅する |
| 2年以内 | 葬祭費・埋葬料、高額療養費の請求 | 受け取れなくなる |
| 3年以内 | 相続登記(2024年4月から義務) | 10万円以下の過料の対象 |
| 3年以内 | 生命保険金の請求 | 請求権が消滅する(保険法上の時効) |
| 5年以内 | 相続税の更正の請求(払いすぎた税金の還付) | 還付を受けられなくなる |
相続手続きとは?いくつあるのか
相続手続きとは、亡くなった方の権利と義務を、相続人に引き継ぐための一連の手続きのことです。
大きく4種類に分かれます。この分類を押さえておくと、全体の見通しがつきます。
| 種類 | 内容 | 主な窓口 |
|---|---|---|
| 役所の手続き | 死亡届、健康保険、介護保険、年金、世帯主変更 | 市区町村・年金事務所 |
| 財産を確定する手続き | 相続人の確定、財産調査、財産評価、遺産分割協議 | 市区町村・金融機関・法務局 |
| 税金の手続き | 所得税の準確定申告、相続税の申告・納付 | 税務署 |
| 名義を変える手続き | 不動産の相続登記、預貯金の解約、株式・車の名義変更 | 法務局・金融機関・運輸支局 |
数を数えれば40種類以上になりますが、ご家庭によって必要な手続きは大きく違います。 賃貸住まいで預貯金だけなら10種類ほどで終わります。持ち家と複数の口座、非上場株式があれば30種類を超えます。
最初にやるべきことは、手続きを始めることではありません。 何が必要かを見極めることです。ここを間違えると、不要な手続きに時間を使い、期限のある手続きが後回しになります。
死亡直後から14日以内にやること
この時期の手続きは、期限が短い代わりに、遅れても後から出せるものがほとんどです。 葬儀と並行して進めます。
| 手続き | 期限 | 窓口 |
|---|---|---|
| 死亡届の提出 | 死亡を知った日から7日以内 | 死亡地・本籍地・届出人の住所地の市区町村 |
| 火葬許可申請 | 死亡届と同時 | 同上 |
| 世帯主変更届 | 14日以内 | 住所地の市区町村 |
| 健康保険の資格喪失届 | 国民健康保険は14日以内/会社の健康保険は5日以内(事業主が手続き) | 市区町村・年金事務所 |
| 介護保険の資格喪失届 | 14日以内 | 住所地の市区町村 |
| 年金の受給権者死亡届 | 国民年金は14日以内/厚生年金は10日以内 | 年金事務所・年金相談センター |
世帯主変更届が必要なのは、世帯主が亡くなり、残された世帯員が2人以上いる場合です。 配偶者だけが残った場合は、その方が自動的に世帯主になるため届出は要りません。
年金については、日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は、死亡届の提出を省略できます。 ただし未支給年金(亡くなった月分までの年金)は別に請求が必要で、こちらは請求しないと受け取れません。
実務での注意点。 死亡届を出すと、金融機関が死亡を知った時点で口座が凍結されます。凍結されると、公共料金の引き落としも止まります。故人の口座から家賃や光熱費を引き落としていた場合は、凍結前に支払方法を切り替えておくと後の手間が減ります。
3か月以内:相続放棄か、相続するかを決める
相続放棄と限定承認の期限は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です(民法915条)。この期限を過ぎると単純承認となり、借金も相続することになります。
判断するには、プラスの財産とマイナスの財産の両方を把握しなければなりません。 つまり3か月のあいだに財産調査を終える必要があります。
| 選択肢 | 内容 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 単純承認 | 財産も債務もすべて引き継ぐ | 財産が債務を上回ることが確認できた |
| 相続放棄 | 財産も債務も一切引き継がない | 債務が明らかに多い/関わりたくない |
| 限定承認 | 財産の範囲内でのみ債務を引き継ぐ | どちらが多いか分からない |
限定承認は相続人全員で申し立てる必要があり、手続きも複雑なため、実務ではあまり使われません。
3か月で判断がつかない場合は、家庭裁判所に「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てることができます。 財産が全国に散らばっている場合や、債務の全体像が見えない場合は、この申立てを検討します。
- 財産調査の進め方 → 財産調査
- 相続放棄の手続きと必要書類 → 相続の承認または放棄
相続放棄で最も多い失敗は、「放棄したつもりだったが、していなかった」ケースです。 遺産分割協議で「私は何も受け取りません」と合意しても、それは法律上の相続放棄ではありません。債務は法定相続分どおりに引き継ぎます。 借金があるなら、家庭裁判所への申述が必要です。
4か月以内:所得税の準確定申告
準確定申告とは、亡くなった方の1月1日から死亡日までの所得を、相続人が代わりに申告する手続きです。相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に行います(所得税法125条)。
全員に必要な手続きではありません。次のような方は必要になります。
- 自営業・フリーランスだった
- 給与のほかに不動産所得や配当所得があった
- 給与収入が2,000万円を超えていた
- 公的年金等の収入が400万円を超えていた
- 医療費控除で還付を受けられる(この場合は義務ではなく、申告すれば戻ってくる)
忘れられやすい手続きです。 亡くなった年に多額の医療費がかかっていたご家庭では、準確定申告をすることで所得税が還付されるケースが少なくありません。
詳しい要件と必要書類 → 所得税の準確定申告
10か月以内:相続税の申告と納付
相続税の申告と納付の期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です(相続税法27条)。10か月というのは、思われているより短い期間です。
10か月のうちに、次のすべてを終える必要があります。
- 相続人を確定する(出生から死亡までの連続した戸籍を集める)→ 相続人調査・戸籍収集
- 財産をすべて洗い出す → 財産調査
- 財産を評価する(土地の評価がここで効いてきます)→ 財産評価
- 遺産分割協議をまとめ、協議書に全員が実印を押す → 遺産分割協議
- 申告書を作成し、納税資金を用意して納付する → 相続税申告
相続税がかかるかどうかの判定
相続税がかかるのは、遺産総額が基礎控除額を超えた場合だけです。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
母と子2人の3人が相続人なら、基礎控除は4,800万円です。遺産がこれ以下なら申告は要りません。
ただし東京は事情が違います。東京都の相続税の課税割合は20.0%、東京23区内では20.3%。5人に1人が申告対象です(全国平均は10.4%)。持ち家があるだけで基礎控除を超えることが珍しくありません。
分け方で税額が変わります
相続税は「誰がいくら相続するか」で総額が変わります。 ここが所得税や住民税と最も違う点です。
配偶者は1億6,000万円まで非課税になる制度がありますが、これを使い切ると次の相続(二次相続)で税額が増えます。
10か月の期限が持つもう一つの意味。 小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減は、申告期限までに遺産分割が終わっていることが要件です。 分割がまとまらないと、いったん特例なしの税額で納めることになります(「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しておけば、後から分割して更正の請求ができます)。揉めると税金が増える仕組みになっています。
3年以内:相続登記(2024年4月から義務になりました)
相続人は、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。2024年4月1日から義務化され、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となります(不動産登記法76条の2、164条)。
重要なのは、施行前に発生した相続も対象になることです。 その場合の期限は2027年3月31日です。
祖父や曾祖父の名義のまま放置されている土地がある場合、期限は2027年3月31日です。世代をさかのぼるほど相続人の数が増え、全員の同意を集めるのに時間がかかります。今のうちに着手してください。
期限内に登記が難しい場合は、「相続人申告登記」という簡易な手続きで義務を果たすことができます。相続人であることを登記簿に記録しておく制度で、遺産分割がまとまっていなくても申請できます。
手続きの流れ・必要書類・登録免許税の計算 → 不動産名義変更
相続登記は司法書士の業務です。当センターでは提携している司法書士をご紹介しています。 相続税の申告と登記を別々に依頼すると、同じ戸籍や協議書を二度用意することになります。窓口をひとつにまとめたほうが、書類の重複がなくなります。
期限はないが、早いほうがよい手続き
| 手続き | 窓口 | なぜ早いほうがよいか |
|---|---|---|
| 預貯金の解約・払戻し | 金融機関 | 口座が凍結され、公共料金の引き落としが止まる |
| 有価証券の名義変更 | 証券会社 | 相続人名義の口座開設が必要で、手続きに時間がかかる |
| 自動車の名義変更 | 運輸支局 | 売却も廃車も名義変更しないとできない |
| 公共料金・通信契約の変更 | 各事業者 | 使っていないサービスの料金が引き落とされ続ける |
| 遺言書の検認 | 家庭裁判所 | 検認前に開封してはいけません |
金融機関の解約手続き → 金融機関解約手続き
遺言書が見つかったとき → 遺言検認
遺言書を見つけたら、開けないでください
自筆証書遺言と秘密証書遺言は、家庭裁判所の検認を受けてから開封します。 検認前に開封すると5万円以下の過料の対象になり、他の相続人から偽造を疑われる原因にもなります。
ただし例外が2つあります。
- 公正証書遺言は検認が要りません(公証人が関与しているため)
- 法務局の自筆証書遺言書保管制度を使っていた遺言も検認が要りません
遺産分割前でも、預貯金の一部は引き出せます
葬儀費用や生活費が必要な場合、遺産分割協議がまとまる前でも預貯金の一部を払い戻せる制度があります(民法909条の2)。
払戻せる金額 = 相続開始時の預貯金額 × 3分の1 × その相続人の法定相続分
ただし1金融機関あたり150万円が上限です
母と子2人が相続人で、口座に1,200万円あった場合、子1人が払い戻せるのは 1,200万円 × 1/3 × 1/4 = 100万円です。この制度は、金融機関の窓口で案内されないことがあります。 必要な場合はご自身から申し出てください。
相続手続きは誰に頼むべきか
専門家の肩書きで選ぶものではありません。あなたの相続に「何が含まれているか」で決まります。
| 専門家 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| 税理士 | 財産評価、所得税の準確定申告、相続税の申告 | 相続登記、争いのある案件の代理交渉 |
| 司法書士 | 相続登記、遺産分割協議書の作成、相続放棄の書類作成 | 相続税の申告、争いのある案件の代理交渉 |
| 弁護士 | 争いのある案件の代理交渉・調停・訴訟、遺留分の請求 | 相続税の申告(税理士登録がある場合を除く) |
| 行政書士 | 戸籍収集、自動車の名義変更などの書類作成 | 相続登記、相続税の申告、代理交渉 |
| 銀行の相続手続き代行 | 窓口をひとつにまとめる | 実際の業務は提携先が行い、手数料が上乗せされる |
判断の分かれ目は3つだけです
- 相続税の申告が必要か → 遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるなら、税理士が必要です
- 不動産があるか → あるなら司法書士が必要です(2024年から登記は義務)
- 相続人の間で争いがあるか → あるなら弁護士が必要です
この3つがすべて「いいえ」なら、ご自身で手続きできます。 預貯金だけ、相続人が1人か2人、全員が合意している。この条件なら、市区町村と金融機関の窓口で完結します。専門家に頼む必要はありません。
より詳しい判断チャート → 相続手続きは誰に頼むべき?
当センターがお引き受けできること
当センターは税理士法人です。相続手続きのうち、税務と財産に関わる部分を直接お引き受けし、司法書士・弁護士の独占業務は提携専門家をご紹介する形をとっています。
| 工程 | 対応 |
|---|---|
| 相続人調査・戸籍収集 | 当センターが対応します |
| 財産調査 | 当センターが対応します |
| 財産評価 | 当センターが対応します(土地評価がここに含まれます) |
| 所得税の準確定申告 | 当センターが対応します(税理士の業務です) |
| 相続税申告 | 当センターが対応します(税理士の業務です) |
| 金融機関の解約手続き | 当センターが対応します |
| 遺産分割協議 | 協議書の内容について税務の観点から助言します。相続人間で意見が対立している場合は、提携している弁護士をご紹介します |
| 不動産名義変更(相続登記) | 提携している司法書士をご紹介します |
| 遺言検認 | 手続きをご案内し、必要に応じて提携専門家をご紹介します |
| 終活・身元保証 | 当センターが対応します |
税理士が窓口になる利点
相続税の申告が必要なご家庭では、税理士がいちばん長く関わります。 財産評価から申告まで10か月にわたって全体を見るためです。
そして期限が最も厳しい工程(準確定申告4か月、相続税申告10か月)を握っているのも税理士です。 ここを軸に据えると、逆算して他の手続きを配置できます。
さらに、分け方の助言ができるのは税務が分かる者だけです。 「この分け方なら二次相続まで通して375万円の差が出る」という判断は、登記や書類作成の知識では出てきません。
料金 → 料金表
【新宿区にお住まいの方へ】手続きの窓口
新宿区で相続が発生した場合、手続きの窓口は次のように分かれます。
| 手続き | 窓口 |
|---|---|
| 死亡届、戸籍謄本、住民票、世帯主変更届 | 新宿区役所(本庁舎)/特別出張所 |
| 国民健康保険、介護保険の資格喪失届 | 新宿区役所 |
| 固定資産税の納税義務者変更 | 東京都主税局(23区の固定資産税は都税です。区役所ではありません) |
| 相続税の申告 | 新宿税務署 または 四谷税務署(被相続人の住所で決まります) |
| 相続登記 | 東京法務局 新宿出張所 |
| 相続放棄の申述、遺言書の検認 | 東京家庭裁判所 |
注意していただきたいのは2点です。
1つ目。新宿区は相続税の申告先が2つに分かれます。 新宿税務署と四谷税務署のどちらになるかは、被相続人の最後の住所で決まります。同じ新宿区内でも別の税務署になります。
2つ目。23区の固定資産税は都税です。 他の市町村では市役所・町役場が窓口ですが、23区では東京都主税局の都税事務所が窓口になります。区役所に行っても手続きできません。
新宿区の相続で、土地の評価が問題になりやすい理由
新宿区は商業地・住宅地・坂の多い住宅地・戦前からの借地が同居する、土地の評価が特に難しい区です。
- 幅4m未満の道路が多く、セットバックの対象になる土地があります(後退部分は70%減額)→ セットバックが必要な土地の相続税評価
- 坂が多く、敷地内に高低差がある土地があります(がけ地補正で最大47%減額)→ がけ地補正率とは?
図面では平坦に見えても、現地に立つと明確な高低差があることが少なくありません。評価を下げられる要因を見落とすと、そのまま税額に跳ね返ります。
新宿区の相続税の詳細 → 新宿区の相続税
実務でしか分からない注意点
金融機関ごとに、求められる書類が違います
同じ「預貯金の解約」でも、金融機関によって必要書類が違います。
大手の銀行は法定相続情報一覧図の写し(法定相続情報証明制度で法務局が交付するもの)で足りることが多いのですが、信用金庫や地方の金融機関では戸籍の原本を求められることがあります。
法定相続情報一覧図の写しは、法務局で必要な枚数を交付してもらえます。 口座が複数ある場合は、最初にまとめて取得しておくと、金融機関ごとに戸籍を集め直す手間がなくなります。
口座が凍結されるタイミング
金融機関が死亡の事実を知った時点で凍結されます。 死亡届を出したから自動的に凍結されるわけではありません。ご遺族が窓口で申し出たとき、あるいは新聞のお悔やみ欄などで金融機関が知ったときです。
凍結されると、公共料金・保険料・家賃の引き落としも止まります。 未払いのまま放置すると督促が来ますので、支払方法の切り替えは早めに行ってください。
おひとりさまの場合は、手続きをする人がいません
お子様がいない方、生涯独身の方の相続では、税金より先に「手続きをする人がいない」という問題が起こります。
相続手続きは相続人が行うものです。相続人がいない、あるいは遠縁で連絡がつかない場合、手続きそのものが止まります。
当センターでは、実際に身元保証を引き受け、喪主を務め、収骨・納骨まで行ってきました。 ご本人がご存命で判断能力があるうちにしか決められないことがあります。
よくある質問
Q1. 相続手続きは自分でできますか?
A. できます。 預貯金だけで、相続人が1人か2人、全員が合意しているなら、市区町村と金融機関の窓口で完結します。専門家に頼む必要はありません。ただし、相続税の申告が必要な場合、不動産がある場合、相続人の間で争いがある場合は、専門家に依頼したほうが結果的に費用が抑えられることが多くあります。
Q2. 相続手続きにはどれくらい時間がかかりますか?
A. 相続税の申告が必要なご家庭では、10か月を目安にしてください。 相続税の申告期限が10か月であり、そこから逆算して全工程を配置します。申告が不要なご家庭では、預貯金の解約と不動産の登記で1〜3か月程度です。
Q3. 相続手続きを始めるのは、四十九日が終わってからでよいですか?
A. 相続放棄を検討している場合は、待たないでください。 相続放棄の期限は3か月です。四十九日を終えてから財産調査を始めると、判断する時間が足りなくなります。借金の可能性がある場合は、葬儀と並行して財産調査を始めてください。
Q4. 何から手をつければいいですか?
A. まず「相続税の申告が必要かどうか」を判定してください。 遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるかどうかです。ここで結論が変わります。 超えるなら10か月の逆算が始まり、超えないなら急ぐ手続きは相続放棄の3か月と相続登記の3年だけになります。
Q5. 相続税の申告期限に間に合わないときはどうなりますか?
A. 期限内に申告しないと、無申告加算税と延滞税がかかります。 さらに、小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減は申告期限までに遺産分割が終わっていることが要件のため、間に合わないと特例なしの税額を納めることになります。 その場合は「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しておき、分割がまとまってから更正の請求をします。
Q6. すでに相続税の申告を終えていますが、払いすぎている気がします
A. 申告期限から5年以内であれば、更正の請求で還付を受けられる可能性があります。 特に土地の評価は見直しの余地が出やすい部分です。不整形地・セットバック・私道・がけ地・借地権といった減額要因が反映されていないケースがあります。申告書の控えを拝見すれば、見直しの余地があるかどうかの見当をお伝えできます。
Q7. 相続登記を放置していますが、まだ大丈夫ですか?
A. 2024年4月1日より前に発生した相続の場合、期限は2027年3月31日です。 それ以降は正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。先代・先々代の名義のまま放置されている不動産は、世代をさかのぼるほど相続人が増え、同意を集めるのに時間がかかります。 早めに着手してください。
Q8. 遠方に住んでいますが依頼できますか?
A. オンライン面談で全国に対応しています。 書類は郵送とデータでやり取りできます。ご来所いただく必要はありません。→ 相続の相談はオンラインで全国対応
まとめ
- 相続手続きは40種類以上あるが、期限のあるものから逆算して進める
- 取り返しがつかないのは2つ。相続放棄の3か月と、相続税申告の10か月
- 相続放棄の判断には財産調査が必要。四十九日を待つと時間が足りなくなる
- 相続税がかかるのは遺産が3,000万円+600万円×法定相続人の数を超えた場合。東京23区は5人に1人が対象
- 小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減は申告期限までの分割が要件。揉めると税金が増える
- 相続登記は2024年4月から義務。施行前の相続の期限は2027年3月31日
- 頼む相手は肩書きで選ばない。相続税の申告が必要か/不動産があるか/争いがあるかの3つで決まる
- 当センターは税理士法人として税務と財産の工程を直接お引き受けし、登記は提携司法書士、争いは提携弁護士をご紹介します
- 新宿区は申告先が新宿税務署と四谷税務署に分かれ、固定資産税は都税(区役所ではない)
- すでに申告済みでも、5年以内なら更正の請求で還付を受けられる可能性がある
ご相談のご案内
何から手をつければよいか分からないという段階でご相談いただくのが、いちばん打てる手が多い状態です。
相続税の申告が必要かどうかの判定だけでも、その後の進め方が変わります。
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監修者
天尾信之(あまお のぶゆき)
税理士(登録番号 第136528号/東京税理士会)
税理士法人Ambitious 代表/新宿相続・生前贈与相談センター
相続・事業承継の相談実績3,000件超。手がけた相続税申告のうち、税務調査に至った割合は1%未満。
相続税申告だけでなく、死後事務・身元保証・喪主代行まで自ら手がけてきました。
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登録者42,000人・累計729万回再生(2026年8月時点)。
出典
- 国税庁 No.4205 相続税の申告と納税
- 国税庁 No.4152 相続税の計算
- 国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)
- 国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
- 法務省 相続登記の申請義務化に関するQ&A
- 法務局 法定相続情報証明制度について
- 法務局 自筆証書遺言書保管制度
- 裁判所 相続の放棄の申述
- 民法915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)、909条の2(遺産の分割前における預貯金債権の行使)、1048条(遺留分侵害額請求権の期間の制限)
- 不動産登記法76条の2(相続等による所有権の移転の登記の申請)、164条(過料)

