相続の承認または放棄

相続放棄とは
相続放棄とは、相続人が被相続人の財産や債務を一切相続しないことを決定する法律手続きです。相続放棄を行うと、相続人は当初から相続人ではなかったものとみなされます。
れにより、プラスの財産(現金や不動産など)だけでなく、マイナスの財産(借金や負債)も受け取ることがなくなります。特に、被相続人が多額の借金を抱えている場合に有効な選択肢となります!
相続放棄のメリット
相続放棄が必要なケース
- 明らかにマイナスの財産が多い場合: 借金が遺産よりも多いと判断される場合。
- 遺産争いを避けたい場合: 他の相続人との関係が悪い場合や争いを避けたい場合。
- 手続きを行いたくない場合: 相続手続きを煩わしく感じる場合
相続放棄で必要な費用
- 費用の相場: 3,000〜5,000円程度
内訳
- 収入印紙: 800円
- 郵便切手: 約300〜500円(家庭裁判所によって異なる)
- 被相続人の戸籍謄本: 450円
- 被相続人の住民票除票または戸籍附票: 750円
- その他、必要に応じた戸籍謄本(450〜750円)
相続放棄の流れ
①必要書類の準備
相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出する必要があります。この期限は非常に重要で、過ぎると自動的に単純承認となります
〈必要書類〉
- 被相続人の戸籍謄本
- 自分自身の戸籍謄本
- 申述書(家庭裁判所で入手可能)
②家庭裁判所への申立て:
書類を直接持参または郵送で提出します
③照会書への回答
裁判所から照会書が届くので、必要事項を記入して返送します
④受理通知書の受領
手続きが完了すると「相続放棄受理通知書」が届きます
もし、法定相続人が1人だった時に相続放棄した場合
相続放棄をした場合、次に優先順位が高い法定相続人が新たに相続権を得ます。(配偶者なし、相続人の子ども1人が相続放棄したら、親などが次順位の法定相続人に権利が移ります。)
(さらに、相続人全員が放棄すると、その相続財産は、利害関係人又は検察官の申立てによって選任される相続財産清算人によって管理・処分されることになります。)
相続放棄をしたことで、他の相続人(例えば子どもや親)は、その分だけ遺産を多く受け取ることになります。しかし、マイナスの財産(借金など)があった場合、その負担も増えることになります。
ただ、相続放棄をしても、次の法定相続人が決まるまで、放棄した人には相続財産の管理義務があります。つまり、管理を怠ると損害賠償請求を受ける可能性があります
債務が多く、相続放棄を検討している場合
相続放棄を検討している間は、被相続人の借金を返済してはいけません。返済すると「単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。債権者に対して相続放棄をする旨を伝えることで、督促が止まることもありますが、通知義務はありません。
相続放棄をしても、もしその相続人が被相続人の借金の保証人や連帯債務者であった場合、その責任は残ります。また、直ちに相続財産の管理(保存)義務がなくなるとは限りませんので注意が必要です。
相続手続きの全体像
この工程が全体のどこに位置するか、他の手続きの期限とあわせて 相続手続きの流れ|期限一覧と誰に頼むかの判断 でご確認いただけます。
よくあるご質問
3か月を過ぎてしまいました。もう放棄できませんか。
原則としてできませんが、例外が認められる場合があります。相続財産がまったくないと信じており、そう信じたことに相当の理由があるときは、借金の存在を知った時から3か月と扱われた裁判例があります。督促状が届いて初めて負債を知った、というような場合です。ただし個別の判断になりますので、早急にご相談ください。
相続放棄をしても、生命保険金は受け取れますか。
受取人がご自身に指定されていれば受け取れます。死亡保険金は受取人固有の財産で、相続財産ではないためです。ただし相続税の計算上は「みなし相続財産」として課税対象になり、放棄した場合は「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が使えません。
自分が放棄すると、誰が相続人になりますか。
次の順位の方に移ります。子が全員放棄すれば父母などの直系尊属へ、直系尊属もいなければ兄弟姉妹へと移ります。借金を理由に放棄する場合、放棄したことをご親族に伝えておかないと、知らないうちに次の方へ請求が行くことになります。
遺品を整理したり、預金を引き出したりしても大丈夫ですか。
注意が必要です。相続財産を処分すると、単純承認したものとみなされ、放棄ができなくなることがあります。葬儀費用を被相続人の預金から支払った場合の扱いも争いになりやすい論点です。放棄を検討している段階では、財産に手をつける前にご相談ください。
限定承認とは何ですか。
プラスの財産の範囲内で債務を引き継ぐ手続きです。負債の総額が分からないときに使えますが、相続人全員で共同して申述する必要があり、手続きも複雑です。実務上、選ばれることは多くありません。
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出典
※本ページの内容は2026年9月時点の法令に基づいています。実際の判断は個別の事情により異なりますので、必ず専門家にご相談ください。

