贈与税はいくらから?年110万円を超えた分にかかります【速算表つき】
監修:天尾信之(税理士・登録番号 第136528号/税理士法人Ambitious 代表)
相続・事業承継の相談実績3,000件超。YouTube「まるごと安全相続ch-あまおう税理士」運営(登録者4.5万人)。
公開日:2026年11月2日 最終更新日:2026年11月2日
【結論】1年間に110万円を超えてもらうと、かかります
贈与税は、もらった人にかかります。
贈与税の基礎控除は、年110万円です。
1月1日から12月31日までの1年間に、もらった財産の合計から110万円を引きます。
残りがあれば、そこに税率をかけます。
| かかるか | |
|---|---|
| 1年間に受け取った合計が110万円以下 | かかりません。申告も不要です |
| 1年間に受け取った合計が110万円を超える | 超えた分にかかります。申告が必要です |
ここでいう110万円は、「もらった人1人あたり」です。
父から110万円、母から110万円をもらえば合計220万円。
110万円を引いた110万円に贈与税がかかります。
よくある誤解がここです。
「1人110万円までなら、何人からもらっても非課税」ではありません。
税率は2種類あります
贈与税の速算表は、一般税率と特例税率の2つに分かれています。
特例税率(特例贈与財産用)
父母・祖父母など直系尊属から、18歳以上の子や孫がもらった場合に使います。
| 基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | — |
| 400万円以下 | 15% | 10万円 |
| 600万円以下 | 20% | 30万円 |
| 1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
| 1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
| 3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
| 4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
| 4,500万円超 | 55% | 640万円 |
一般税率(一般贈与財産用)
上に当てはまらない場合に使います。
兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から未成年の子への贈与などです。
| 基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | — |
| 300万円以下 | 15% | 10万円 |
| 400万円以下 | 20% | 25万円 |
| 600万円以下 | 30% | 65万円 |
| 1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
| 1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
| 3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
| 3,000万円超 | 55% | 400万円 |
出典:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
同じ金額でも、どちらの表を使うかで税額が変わります。
実際に計算してみます
計算の順番は3つだけです。
① 1年間にもらった合計から 110万円を引く
② 速算表の税率をかける
③ 速算表の控除額を引く
例1 父から500万円をもらった(子が18歳以上)
特例税率を使います。
500万円 − 110万円 = 390万円
390万円 × 15% − 10万円 = 48万5千円例2 兄から500万円をもらった
一般税率を使います。
500万円 − 110万円 = 390万円
390万円 × 20% − 25万円 = 53万円同じ500万円でも、4万5千円の差が出ます。
例3 父から400万円をもらった(子が18歳以上)
400万円 − 110万円 = 290万円
290万円 × 15% − 10万円 = 33万5千円申告と納付の期限
| 申告が必要な人 | 1年間にもらった合計が110万円を超えた人 |
| 申告先 | もらった人の住所地の税務署 |
| 期限 | 贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで |
払うのも、申告するのも「もらった人」です。
あげた人ではありません。
110万円以下なら、申告は不要です。
「生前贈与は相続税対策になる」が崩れる場合
亡くなる前の一定期間にもらった財産は、相続財産に戻して計算します。
これを「持ち戻し」といいます。
ここは令和6年の改正で変わりました。
「7年ルール」と呼ばれますが、いきなり7年になるわけではありません。
| 亡くなった日 | 戻す期間 |
|---|---|
| 〜令和8年12月31日 | 相続開始前3年以内 |
| 令和9年1月1日〜令和12年12月31日 | 令和6年1月1日から亡くなった日まで |
| 令和13年1月1日〜 | 相続開始前7年以内 |
出典:国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
つまり、いま相続が起きれば3年です。
7年がまるごと効いてくるのは令和13年以降です。
ただし、持ち戻しの対象になるのは「相続で財産をもらった人」への贈与です。
相続人でない孫などへの贈与は、原則として戻されません。
110万円を超えても、かからない制度があります
| 制度 | 非課税の枠 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 相続時精算課税 | 特別控除2,500万円 | まとまった額を早く渡したい |
| おしどり贈与(配偶者控除) | 2,000万円 | 婚姻20年以上の夫婦。自宅を渡したい |
| 教育資金の一括贈与 | 制度ごとの枠があります | 孫の学費をまとめて出したい |
| 住宅取得等資金の贈与 | 制度ごとの枠があります | 子の家の購入を助けたい |
相続時精算課税
特別控除2,500万円まで、贈与の時点では贈与税がかかりません。
ただし名前のとおり、相続のときに精算します。
令和6年1月1日以後の贈与からは、この制度にも年110万円の基礎控除が設けられました。
この110万円の部分は、相続財産に持ち戻されません。
一度選ぶと、同じ人からの贈与で暦年課税には戻れません。
→ 相続時精算課税
おしどり贈与(配偶者控除)
婚姻期間20年以上の夫婦で、居住用の不動産またはその購入資金を贈与した場合、
2,000万円まで控除できます(基礎控除110万円とは別枠です)。
同じ配偶者からは一生に一度だけです。
→ 国税庁 No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除
教育資金・住宅取得等資金
どちらも期限のある制度で、金額の枠や条件が改正されます。
使う前に、その年の内容をご確認ください。
気をつけてほしいこと
① 「名義を分けただけ」は贈与になりません
子ども名義の口座にお金を入れただけでは、贈与したことになりません。
- 通帳と印鑑を親が持っている
- 子どもが口座の存在を知らない
- 子どもが自由に使えない
こういう口座は「名義預金」として、親の相続財産に入れられます。
贈与税の申告をしていなくても、相続のときに問題になります。
→ 名義預金とは
② 毎年同じ日に同じ額を渡し続ける
「毎年110万円ずつ10年間」と最初から決めていたと見られると、
1,100万円を一度に贈与する約束だったと扱われることがあります。
毎年の贈与であることが分かる形にしておくことが大事です。
③ 110万円を少し超える贈与をして、申告しておく
あえて111万円を贈与して申告する、という話を聞くことがあります。
贈与の記録を残す目的ですが、これだけで安全になるわけではありません。
実態として渡していることのほうが重要です。
④ もらう側の人数で変わります
基礎控除は「もらう人ごと」です。
子2人・孫2人に110万円ずつ渡せば、合計440万円を非課税で動かせます。
これが生前贈与がよく使われる理由です。
そもそも相続税がかかるか、先に確かめてください
贈与税を気にする前に、相続税がかかるかを確認したほうが早いことがあります。
相続税の基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数
相続人が配偶者と子2人なら、4,800万円です。
相続税がかからない家庭で生前贈与をすると、
払わなくてよかった贈与税を払うことになります。
→ 相続税はいくらからかかるか
→ 相続税の計算シミュレーション
順番は、こうです。
| やること | |
|---|---|
| 1 | 相続税がかかるかを概算する |
| 2 | かかるなら、二次相続まで含めていくらかを見る |
| 3 | そのうえで、生前贈与でいくら動かすかを決める |
→ 二次相続対策
よくある質問
Q1. 贈与税はいくらからかかりますか
1年間(1月1日〜12月31日)にもらった合計が110万円を超えたときです。
110万円以下なら、贈与税はかからず、申告も不要です。
Q2. 父と母から110万円ずつもらいました。非課税ですか
いいえ。 基礎控除は「もらった人1人あたり年110万円」です。
合計220万円から110万円を引いた110万円に贈与税がかかります。
Q3. 子2人・孫2人に110万円ずつ渡すと、どうなりますか
もらう人ごとに110万円の枠があるので、合計440万円を非課税で動かせます。
Q4. 贈与税は誰が払いますか
もらった人です。申告も納付も、もらった人が行います。
Q5. 400万円をもらうと、贈与税はいくらですか
どちらの表でも、この金額なら同じになります。
基礎控除を引いた後の金額は 400万円 − 110万円 = 290万円。
290万円は、特例税率では「400万円以下」、一般税率では「300万円以下」に当たり、
どちらも15%・控除10万円です。
290万円 × 15% − 10万円 = 33万5千円差が開くのは、もっと大きな額です。
1,000万円をもらった場合、特例税率は (1,000−110)×30%−90=177万円、
一般税率は (1,000−110)×40%−125=231万円 で、54万円の差になります。
Q6. 一般税率と特例税率はどう違いますか
特例税率は、父母・祖父母などの直系尊属から18歳以上の子や孫がもらった場合に使います。
一般税率はそれ以外(兄弟間、夫婦間、未成年の子への贈与など)です。
Q7. 申告の期限はいつですか
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで。
申告先はもらった人の住所地の税務署です。
Q8. 生前贈与は何年前まで相続財産に戻されますか
亡くなった日によって変わります。
令和8年12月31日までは3年、令和9年1月1日〜令和12年12月31日は
令和6年1月1日から亡くなった日まで、令和13年1月1日以降は7年です。
Q9. 孫への贈与も戻されますか
持ち戻しの対象は、相続で財産をもらった人への贈与です。
相続人でない孫への贈与は、原則として戻されません。
Q10. 2,500万円まで非課税の制度があると聞きました
相続時精算課税のことだと思います。特別控除2,500万円まで贈与税はかかりませんが、
相続のときに精算します。 一度選ぶと暦年課税には戻れません。
令和6年1月1日以後の贈与からは、この制度にも年110万円の基礎控除が設けられています。
まとめ
- 贈与税は1年間にもらった合計が110万円を超えたときにかかります
- 110万円は「もらった人1人あたり」。複数の人からもらえば合算します
- 税率は特例税率(直系尊属→18歳以上の子・孫)と一般税率の2つ
- 計算は ①110万円を引く ②税率をかける ③控除額を引く の3段階
- 申告は翌年2月1日〜3月15日。もらった人の住所地の税務署へ
- 持ち戻しは、亡くなった日によって3年〜7年。いま相続が起きれば3年です
- 子ども名義にしただけでは贈与になりません(名義預金)
- そもそも相続税がかかるかを、先に確かめてください
払わなくてよかった贈与税を払う——これがいちばんもったいない形です。
相続税の計算シミュレーション で概算を出してから、お決めください。
ご相談のご案内
贈与は、渡したあとでは直せません。 名義を分けただけで贈与になっていなかった、相続時精算課税を選んだあとで暦年課税に戻せないと分かった——こうした行き違いは、渡す前にひとこと確認していれば起きないものです。
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監修者
天尾信之(あまお のぶゆき)
税理士(登録番号 第136528号/東京税理士会)
税理士法人Ambitious 代表/新宿相続・生前贈与相談センター
相続・事業承継の相談実績3,000件超。手がけた相続税申告のうち、税務調査に至った割合は1%未満。
YouTube「まるごと安全相続ch-あまおう税理士」を運営し、
登録者45,000人・動画329本(2026年10月時点)。
出典
- 国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
- 国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
- 国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
- 国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
- 国税庁 No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除
※本ページの内容は2026年11月2日時点の情報です。制度は改正されることがあります。
※教育資金・住宅取得等資金の非課税制度は期限のある制度です。
金額の枠や条件は改正されるため、使う前にその年の内容をご確認ください。

