新宿区で相続に強い税理士の選び方|5つの判断基準と、依頼前に確認すべきこと

監修:天尾信之(税理士・登録番号 第136528号/税理士法人Ambitious 代表)
相続・事業承継の相談実績3,000件超。YouTube「まるごと安全相続ch-あまおう税理士」運営(登録者4.2万人)。
公開日:2026年9月13日 最終更新日:2026年9月13日
【結論】新宿区の相続で差がつくのは、土地の評価です
新宿区で相続税の税理士を選ぶとき、最も見るべきは「土地の評価をどこまでやるか」です。
理由ははっきりしています。新宿区は、財産に占める土地の割合が高い地域だからです。
そして土地の評価額は、税理士によって変わります。
計算式に当てはめるだけの作業ではなく、現地と資料をどこまで見るかという判断だからです。
同じ土地で数百万円の差が出ることは、珍しくありません。
だからこそ、次の5点を確認してください。
| 確認すること | |
|---|---|
| 1 | 相続税の申告を年間何件扱っているか |
| 2 | 土地の現地調査をするか |
| 3 | 書面添付制度を使うか |
| 4 | 二次相続まで試算するか |
| 5 | 報酬に何が含まれるか |
以下、1つずつ理由を説明します。
なぜ新宿区は土地の評価が難しいのか
まず、新宿区の地価を実際の数字で見てください。
令和8年分の最高路線価は次のとおりです。
| 税務署管内 | 最高路線価の所在地 | 令和8年分 | 令和7年分 | 対前年変動率 |
|---|---|---|---|---|
| 新宿税務署 | 新宿区新宿3丁目 新宿通り | 3,424万円/㎡ | 3,256万円/㎡ | +5.2% |
| 四谷税務署 | 新宿区新宿3丁目 新宿通り | 3,136万円/㎡ | 2,920万円/㎡ | +7.4% |
| (参考)京橋税務署 | 中央区銀座5丁目 銀座中央通り | 5,336万円/㎡ | 4,808万円/㎡ | +11.0% |
出典:東京国税局 令和8年分 東京国税局各税務署管内における最高路線価
一方で、落合・中井・下落合には静かな住宅地が広がっています。
同じ区内で、路線価に数倍から十数倍の開きがあります。
この落差が、新宿区の相続を難しくしています。
新宿区で減額の対象になりやすい4つの要素
| 要素 | 新宿区での事情 |
|---|---|
| がけ地・傾斜 | 武蔵野台地の縁にあたり、区内に坂が多い。神楽坂・市谷・若松町、神田川沿いの落合・中井 |
| 2項道路・セットバック | 幅4m未満の道路が多く残り、セットバック部分は評価を下げられます |
| 私道 | 位置指定道路・通り抜け私道が多く、評価が0になる場合と3割評価の場合があります |
| 借地権・底地 | 戦前からの借地が今も残っています。権利関係の確認から始まります |
これらは、図面と航空写真だけを見ていては気づけません。
とくに、がけ地と2項道路は見落とされやすい項目です。
平面図では平坦に見える土地でも、実際に立つと明確な段差があることがあります。
新宿区の相続税|土地評価が難しい街で損をしないために
土地の相続税評価は税理士によって差が出る?その理由と、見直せる10の減額要素
判断基準1:相続税の申告を年間何件扱っているか
これが最も重要です。
税理士は全国に82,343名います(令和8年8月末現在・日本税理士会連合会)。
うち東京税理士会が24,786名で、全国の約3割が東京に集まっています。
一方で、相続税の申告が必要になるのは、亡くなった方のおよそ10.4%です(令和6年分・国税庁)。
年間の申告は十数万件の規模ですから、単純に割れば税理士1人あたり年に1〜2件という計算になります。
つまり、税理士だからといって相続税に慣れているとは限りません。
法人税や所得税を主に扱っていて、相続税は年に1件あるかどうか、という事務所も普通にあります。
確認のしかたは簡単です。こう聞いてください。
「相続税の申告は、年間どのくらい扱っていますか」
答えられない、あるいは言葉を濁す場合は、見送ってよいと思います。
もう一歩踏み込むなら、こう聞いてください。
「土地の評価で、直近どんな減額をされましたか」
具体的な事例が出てくるかどうかで、実務の厚みが分かります。
判断基準2:土地の現地調査をするか
これが新宿区では決定的です。
「現地に行きますか」と、そのまま聞いてください。
| 回答 | 意味するところ |
|---|---|
| 「必ず行きます」 | がけ地・セットバック・私道を自分の目で確認します |
| 「必要に応じて」 | 何を「必要」と判断するかを、さらに聞いてください |
| 「資料で分かります」 | 新宿区の土地では、減額の機会を逃す可能性があります |
測量図・公図・住宅地図・都市計画図を揃えるのは前提です。
そのうえで、現地でしか分からないことがあります。
- 道路との高低差(がけ地補正・造成費)
- 実際の道路幅(セットバックの要否)
- 越境物・埋設物の有無
- 隣地との段差、擁壁の状態
- 騒音・高圧線・墓地の隣接
新宿区の路線価は高いため、補正率が1%動くだけで金額が大きく変わります。
判断基準3:書面添付制度を使うか
書面添付制度は、税理士が「この申告書をどう検討したか」を書面で添えて提出する制度です。
添付があると、税務署は調査に入る前に、まず税理士に意見を聞く機会(意見聴取)を設けます。
ここで疑問が解消されれば、実地調査に至らないことがあります。
根拠は税理士法33条の2および35条です。
| 書面添付あり | 書面添付なし | |
|---|---|---|
| 税務署の動き | まず税理士に意見聴取 | いきなり実地調査 |
| 依頼者の負担 | 立ち会いが不要なことがあります | 自宅での調査に立ち会います |
| 申告書の作り込み | 検討過程を書く必要があります | — |
すべての事務所が使っているわけではありません。
書く手間がかかるためです。使っているかどうかを聞いてください。
なお、書面添付をすれば調査が来ないという制度ではありません。
意見聴取の結果、実地調査に移ることもあります。そこは正確にお伝えしておきます。
相続税の税務調査はどのくらい来る?令和6事務年度のデータと指摘されやすい5項目
判断基準4:二次相続まで試算するか
ここで大きな差が出ます。
配偶者の税額軽減を使えば、1億6,000万円までは配偶者に相続税がかかりません。
そのため「とりあえず配偶者に全部」という分け方は、その回の税額を0円にできます。
問題は次です。
配偶者が亡くなったときの二次相続では、
- 配偶者の税額軽減が使えません
- 基礎控除が600万円分減ります(相続人が1人減るため)
- 小規模宅地等の特例の要件が変わることがあります
一次と二次を合計すると、かえって高くつくことがあります。
「一次と二次を合わせた税額で比べていますか」と聞いてください。
二次相続とは?配偶者が全部相続すると損する理由【1億円で375万円の差】
判断基準5:報酬に何が含まれるか
相続税申告の報酬は、遺産総額の0.5〜1.0%が一般的な水準です。
ただし、見るべきは総額ではなく「何が含まれるか」です。
次の項目が別料金かどうかを、必ず確認してください。
| 項目 | 別料金になりがちなもの |
|---|---|
| 土地の評価 | 1利用区分あたり◯万円という加算が一般的です |
| 相続人が多い場合 | 4人目から1人あたり加算 |
| 非上場株式の評価 | 1社あたり加算 |
| 書面添付 | 別料金の事務所があります |
| 申告期限まで3か月未満 | 特急料金 |
| 遺産分割協議書の作成 | 提携先への実費 |
| 税務調査の立ち会い | 日当が別途かかります |
新宿区では、土地の加算が効いてきます。
自宅と貸地で2区分、といったケースは普通にあります。
「この条件で、最終的にいくらになりますか」と、書面で出してもらってください。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士の役割の違い
相続の相談先は、税理士だけではありません。
やるべきことによって、担当が変わります。
| 専門家 | 担当すること |
|---|---|
| 税理士 | 相続税の申告・試算・生前対策(税務代理は税理士の独占業務です) |
| 司法書士 | 不動産の相続登記(2024年4月から義務化されています) |
| 弁護士 | 相続人どうしで争いになっている場合の交渉・調停・訴訟 |
| 行政書士 | 遺産分割協議書の作成、戸籍の収集 |
判断の目安はこうです。
- 相続税がかかりそう → まず税理士
- 不動産がある → 税理士+司法書士
- 相続人の間で話がまとまらない → 弁護士
- 相続税がかからず、不動産もない → ご自身でも手続きできます
「相続税がかかるかどうか」が最初の分岐です。
基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるかで判断します。
相続手続きは誰に頼むべき?税理士・司法書士・行政書士・弁護士の違いと費用
相続税はいくらから?基礎控除の計算と申告が必要なケース
【新宿区にお住まいの方へ】申告先の税務署は2つに分かれます
新宿区は、新宿税務署と四谷税務署の2つに分かれています。
| 税務署 | 管轄のめやす | 所在地 |
|---|---|---|
| 新宿税務署 | 西新宿、北新宿、大久保、百人町、高田馬場、下落合、中落合、上落合、西落合、中井 など | 〒169-8561 新宿区北新宿1丁目19番3号 電話 03-6757-7776 |
| 四谷税務署 | 四谷・牛込地区。神楽坂、市谷各町、若松町、早稲田各町、信濃町、四谷、大京町、住吉町、余丁町、戸山、内藤町 など | 〒160-8530 新宿区四谷三栄町7番7号 電話 03-3359-4451 |
相続税の申告書は、亡くなった方の住所地を管轄する税務署に提出します。
相続人の住所ではありません。
正確な管轄は、国税庁 税務署の所在地・管轄区域でご確認ください。
よくある質問
Q1. 新宿区で相続に強い税理士は、どう探せばよいですか。
A. 「相続税の申告を年間何件扱っているか」を最初に聞いてください。
税理士は全国に82,343名(令和8年8月末・日本税理士会連合会)いる一方、
相続税の申告が必要になるのは亡くなった方の約10.4%(令和6年分・国税庁)です。
単純に割れば1人あたり年に1〜2件ですから、税理士だからといって相続に慣れているとは限りません。
新宿区の場合は、これに加えて「土地の現地調査をするか」を必ず確認してください。
区内は高低差・2項道路・私道・借地が多く、現地を見ないと減額の機会を逃します。
Q2. 相続税の申告は、どこの税理士に頼んでもよいのですか。
A. 地域の制限はありません。 全国どこの税理士にも依頼できます。
ただし、土地の評価が必要な場合は、現地に行ける距離の事務所に利点があります。
新宿区の土地は現地確認で減額できる要素が多いためです。
土地がなく預貯金だけの相続であれば、距離はほとんど関係ありません。
Q3. 新宿区の相続税の申告先はどこですか。
A. 新宿区は、新宿税務署と四谷税務署の2つに分かれています。
西新宿・北新宿・大久保・高田馬場・落合エリアは新宿税務署、
四谷・牛込地区(神楽坂、市谷各町、若松町、早稲田各町など)は四谷税務署が管轄のめやすです。
提出先は、亡くなった方の住所地を管轄する税務署です。相続人の住所ではありません。
Q4. 新宿区の路線価はどのくらいですか。
A. 令和8年分の最高路線価は、新宿税務署管内が3,424万円/㎡(新宿区新宿3丁目 新宿通り)です。
四谷税務署管内も同じ「新宿区新宿3丁目 新宿通り」で3,136万円/㎡です。
いずれも前年から+5.2%、+7.4%と上昇しています。
一方で落合・中井などの住宅地とは数倍から十数倍の開きがあります。
路線価はその年の1月1日時点の価格で、使うのは相続開始の日の属する年のものです。
Q5. 相続税申告の報酬の相場はいくらですか。
A. 遺産総額の0.5〜1.0%が一般的な水準です。
ただし重要なのは総額ではなく、何が含まれるかです。
土地の評価は「1利用区分あたり◯万円」の加算が一般的で、
相続人の人数、非上場株式、書面添付、申告期限までの残り期間でも変わります。
「この条件で最終的にいくらか」を、書面で出してもらってください。
Q6. 税理士に依頼せず、自分で相続税を申告できますか。
A. できます。 相続税の申告に税理士の関与は必須ではありません。
預貯金だけで、財産の内容が明確な場合は、ご自身でも十分可能です。
一方、土地がある場合、とくに新宿区のように評価の論点が多い地域では、慎重に検討してください。
評価を誤ると、払いすぎにも、申告漏れの指摘にもつながります。
なお、払いすぎていた場合は、申告期限から5年以内なら更正の請求ができます。
Q7. 相続が起きてから、いつまでに税理士に相談すべきですか。
A. 早いほど選択肢が残ります。
相続税の申告期限は10か月ですが、その手前に期限が並んでいます。
相続放棄は3か月、準確定申告は4か月です。
また、申告期限までに分け方が決まっていないと、小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減が使えません。
遅くとも、亡くなってから3〜4か月のうちにはご相談ください。
Q8. すでに他の税理士に申告してもらいましたが、見直せますか。
A. 申告期限から5年以内であれば、更正の請求ができます。
土地の評価が見直しの中心になります。
がけ地補正、セットバック、不整形地、私道、地積規模の大きな宅地など、
適用されていなかった減額要素が見つかることがあります。
申告書と土地の資料をお持ちいただければ、見直せる余地があるかを確認できます。
まとめ
- 新宿区の相続で差がつくのは、土地の評価です
- 確認すべきは、①年間の申告件数 ②現地調査 ③書面添付 ④二次相続の試算 ⑤報酬の内訳の5点
- 税理士は全国に82,343名(うち東京24,786名)。単純に割れば1人あたり年に1〜2件の計算です
- 新宿区はがけ地・2項道路・私道・借地が多く、現地を見ないと減額を逃します
- 令和8年分の最高路線価は、新宿税務署管内で3,424万円/㎡(前年比+5.2%)
- 新宿区の申告先は、新宿税務署と四谷税務署の2つに分かれます
- 報酬は遺産総額の0.5〜1.0%が目安。土地の評価は加算が一般的です
- 相続税がかかるかどうかが、相談先を決める最初の分岐です
当センターについて
新宿相続・生前贈与相談センター(税理士法人Ambitious)は、
東京都新宿区西新宿7-19-5 KYS西新宿ビル1階にある相続専門の税理士事務所です。
| 所在地 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-19-5 KYS西新宿ビル1階 |
| 代表 | 天尾信之(税理士・東京税理士会 登録番号 第136528号) |
| 受付時間 | 9:00〜19:00(平日・土曜・日祝も受付) |
| 対応エリア | 新宿区・中野区・世田谷区を中心に、東京都全域。オンラインで全国対応 |
| 取扱業務 | 相続税申告、生前対策、事業承継、終活、身元保証、死後事務、喪主代行 |
相続・事業承継の相談実績は3,000件超。
手がけた相続税申告のうち、税務調査に至った割合は1%未満です。
土地の評価は、原則として現地を確認します。
書面添付制度を日常的に使っています。
事務所概要・アクセス
新宿・中野・世田谷の相続相談|西新宿駅から徒歩5分
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他の事務所と比較していただいて構いません。
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監修者
天尾信之(あまお のぶゆき)
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〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-19-5 KYS西新宿ビル1階
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出典
- 東京国税局 令和8年分 東京国税局各税務署管内における最高路線価
- 国税庁 税務署の所在地・管轄区域(東京国税局)
- 国税庁 新宿税務署のご案内
- 国税庁 四谷税務署のご案内
- 国税庁 No.4152 相続税の計算
- 国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例
- 国税庁 No.4158 配偶者の税額の軽減
- 国税庁 財産評価基本通達
- 国税庁 令和6年分 相続税の申告事績の概要
- 日本税理士会連合会 税理士登録者数
- e-Gov 税理士法(第33条の2・第35条)
※本記事の内容は2026年9月時点の法令・公表データに基づいています。
路線価は令和8年分(2026年7月公表)です。報酬の水準は一般的な目安であり、事務所により異なります。

