相続税の申告→税理士の力は必要か?自力は無謀?【適正診断あり】

こんにちは。相続税理士の天尾です。('ω')
今回のテーマは、『相続税の申告における税理士の必要性』。
- 税理士へお願いする
- 自分でやる
相続税の申告手段はこの2つですが、税理士って本当に必要なのでしょうか?
「報酬ってお高いんでしょ?」
「自分でやった方が費用かからずお得では?」
▼
こんな方はぜひ、読んでみて下さい。
税理士への依頼に抵抗を感じてしまう一番の原因は、『支払う報酬』でしょう。
決して安いとは言えない金額ですので、慎重になるのは当然のことです。
自力でやれば依頼する必要がなくなり、出費が抑えられお財布にも優しい。
できることなら『お得』に相続を完了させたいですよね。
この記事では、そんな葛藤を解決するためのヒントをご紹介。
ぜひ、ざっくりとお目通し下さい。
相続税の申告→税理士は必要か?自力はNG?

結論から言えば、必ず依頼する必要はありません。
税理士にお願いしなくても、『やろうと思えば充分可能』だからです。
ただし、不慣れによるデメリットやリスクはやはり生じてしまいます。
マイナス面を理解し、それでも自力でやりたいと思うのであれば挑戦してみると良いでしょう。
まずは、自力申告で考えられる『可能性』をしっかり把握することが先決です。
【M&D&R】自力申告について理解すべきこと

自力申告を進める前に、『M』『D』『R』をしっかり理解しておきましょう。
- 【M】=メリット
- 【D】=デメリット
- 【R】=リスク
最後に天秤にかけ、メリットが傾けば自己申告GOです。
それぞれ簡単に解説していきます。
Merit
費用を安く済ませられる
税理士へ依頼すれば、もちろん報酬が発生。
自力申告すれば報酬支払いがない分、お得になります。
経験できる
相続は非日常的な行事。
自分でやれば達成感もあり、思い出深い相続になるかもしれません。
税理士を目指す人であれば、より有益で貴重な経験となるでしょう。
Demerit①
最大限の節税が難しい
相続税の大幅カットが期待できる特例。
重複OKなものもあり、うまく活用すればかなりお得な対策も可能です。
しかし、条件は複雑で判断が困難。
不慣れであればかなり苦労するでしょう。
ちなみに、税務署へ聞いても節税に関するアドバイスはしてもらえません。
お得に出来るかどうかは『自分次第』ということも覚えておきましょう。
Demerit②
知識が必要

- どんな財産が相続税の対象なのか?
- 相続人はだれ?
- 特例が使える条件は?
- 計算方法は?
申告を無事に達成するためには、絶対に避けては通れません。
とくに厄介なものは、『財産の確定』と『相続税の計算』。
財産をトコトン調べ尽くし、正確な計算が求められます。
不動産や株がある時は難易度が爆上がりするため、さらに神経を尖らせる必要があるでしょう。
相続は専門家でもかなり気を遣うイベント。
浅い知識だけでは達成は困難です。
あらゆる知識を身に付ける必要があるため、不慣れであれば相当苦労するでしょう。
◆:ネット情報はあくまで【参考】
「知識なんて、ネットで調べればあっという間じゃない?」
たしかに、検索すれば情報はたくさん出てきます。
基本的な知識から節税情報まで、検索すればあっという間にヒット。
「自分でやってみた!」などのブログを参考にしてみるのも役立つでしょう。
しかし、『財産内容』や『事情』は人それぞれ。
【完全コピー】で再現することはできず、あくまで参考資料であることには変わりありません。
最終的な判断は自分自身、ということだけは忘れないでおきましょう。
Demerit③
自分の時間を犠牲にしなければいけない
当然ですが、あらゆる作業を自分で行う必要があります。
時には休日を削る必要性も。
申告が終わるまでは、自由時間の確保が難しくなるでしょう。
◆:土日以外の時間は必須
税務署や役所は平日しか開いていません。
仕事をしている人であれば、有給休暇などを取り入れながら進めて行かなければならないでしょう。
細かいスケジュール管理に、煩わしさを感じるかもしれません。
Demerit④
心と身体がめちゃくちゃ疲れる
申告までの期限は、たったの『10ヶ月』。
かつかつハードスケジュールで、のんびりやる余裕なんてありません。
さらに、相続以外のこともあり多忙からの回避は不可。
いかに効率よく動けるかが鍵となるでしょう。
― 申告までにやること -
- 書類集め
- 財産調査
- 遺産分割協議
- 申告書の作成
- 申告&納税
- 葬式
- 電気&ガス&水道などの手続き
etc.
また、不慣れな作業は大なり小なり不安を抱えます。
「これで合っているだろうか?」
「期限までに間に合うだろうか?」
仕事の合間に行う予定の人や、身内が不仲な人は余計に負担がかかるでしょう。
体力はもちろん、メンタルの管理も重要となってきます。
Demerit⑤
税務調査の対象になりやすいかも
『脱税は絶対許さない』
税務署は、提出された申告書からミスやモレを見つけなければいけません。
- 個人が作成した申告書
- 税理士が作成した申告書
もし、あなたが税務署側であればどちらを入念にチェックするでしょうか?
恐らく多くの答えは個人のものでしょう。
調べた結果、疑問があれば『お問合せ』。
せっかく申告が終わっても、その後も対応しなければいけない可能性があります。
◆:個人?税理士?どこで分かるの?
申告書には税理士専用の記載欄があります。
ここを見れば、個人で作成したかどうか一目瞭然です。

Risk
無意味な支払いが発生する可能性あり

- 計算ミス
- 申告モレ
本来支払うべき相続税より、少なく申告した場合はペナルティ。
足りない金額だけを払うだけでは許してもらえません。
追加で『ペナルティ料金が上乗せ』され、余計な支払いが発生してしまうのです。
残念なことに、ペナルティ料金は決して安くはありません。
費用を抑えるはずが、逆に増える危険があるということを充分に理解しておきましょう。
◆:逆に多く払っていた時は?
手続きをすれば、過払い分を返金してもらえます。
ただし請求期間があり、過ぎた後は二度と戻ってこないので注意。
なお、多く払っていても税務署は教えてくれません。
最善の保身方法は、『正しい申告』ということを覚えておきましょう。
【チェックシート】自力申告出来そうか診断してみよう

「自力で出来るかどうか、簡単に分かる方法はないの?」
【シンプルな相続】であれば、税理士へ依頼しなくても比較的大丈夫だったりします。
では、シンプルな相続とはどんな相続でしょうか?
そこで、簡単な『チェックシート』をご用意しました。
申告手段を決める判断基準として、参考にしてみて下さい。
ご確認ください
- 自力申告の安全性を保証するものではありません
- あくまで判断基準としてご参考ください
- 結果問わず、不安がある人は税理士への相談がおすすめです
Checkシート
いくつ当てはまる?
(Check①~⑩まであります)
★Check①
相続人は自分1人。
または、複数いるが不仲ではない。
★Check②
借金を含む、『全財産をモレなく』把握している。
★Check③
財産の中に不動産がない。
★Check④
以下『申告が必要な特例』を使う予定がない。
- 配偶者の税額軽減
- 小規模宅地等の特例
- 農地の納税猶予の特例
- 特定計画山林の特例
- 寄付金控除の特例
Check⑤
生前贈与や名義預金など、『資金の移動』がない。
Check⑥
平日に動ける。時間が確保できる。
Check⑦
費用が削れるなら、時間と手間をかけても平気。
Check⑧
書類関係の作業が嫌じゃない。
Check⑨
計算がそれなりに出来る。数字が苦手じゃない。
Check⑩
相続税の知識が多少ある。
または、知識を付けるための勉強が苦じゃない。
いかがだったでしょうか?
当てはまる数が多ければ、自力でやってみていいかもしれません。
とくに【★】の項目は最低限クリアしておきたいところ。
1つでも『No』があれば難しい相続になる可能性があり、リスクが生じてしまうでしょう。
【ハイブリッドな選択肢】自己申告&サポート

「困った時だけ相談できないかな?」
そんな欲張りさんは、Webサービスの利用も一つの手。
ネット上で相談や申告ができるため、スキマ時間も無駄なく活用することができます。
必要なものを必要な時にだけ。
スマートでエコ思考な人におすすめです。
◆:メリット
- 好きな時に税理士に相談できる
- 依頼する報酬より費用が安い
◆:デメリット
- 自分から疑問点を相談しなければ提案してもらえない
- 個人の事情が考慮された、『総合的に最善な対策』は難しい
【ちなみに】こんな方法もアリ
自力申告の『可否』について、税理士事務所に相談してみるのもおすすめ。
専門家から直接意見を聞くことで、冷静な判断をすることが出来ます。
また、書類集めなど自分で出来そうなところだけをやってみるのも良いでしょう。
一概には言えませんが、その分費用を安くすることも出来ます。
多くの税理士事務所では、無料相談の利用が可。
【無料相談】=【必ず依頼をしなければいけない】ではありません。
まずは『お試し感覚』で聞いてみると良いでしょう。
こんな税理士であれば◎

- 丁寧に説明してくれる
- 親身に話を聞いてくれる
- 自己申告したいという気持ちを尊重しつつ、意見してくれる
実績ももちろん重要ですが、『雰囲気』はもっと大事。
協力的な態度で、感じが良ければ信頼できる相手でしょう。
また、絶対に譲れない点は『相続専門』であること。
税理士と一口に言っても得意分野があるのです。
もし自分で手に負えないと思ったら、そのまま依頼の相談へ移してもみるのも良いかもしれませんね。
【最後に】この記事のまとめ

- 相続税の申告は、【税理士必須ではない】
- 自力申告は安く出来るが、【時間の犠牲】や【経済的損失】の覚悟は必要
- 複雑じゃない相続であれば、自己申告しても【比較的大丈夫】
- 自己申告と相談を掛け合わせた【Webサービス】の利用も1つの選択肢
- 自分の想いや意見、不安や疑問を【ダイレクトに】伝えたい人は、やはり税理士へ
時間管理ができ、気持ちが固まっている人であれば自己申告向き。
ネットサービスもうまく取り入れれば、リスク回避にも役立ち成功確率は上がるでしょう。
一方で、少しでも不安な気持ちがある人はやはり税理士への相談をおすすめします。
- 「ムダなお金は1円も払いたくない」
- 「期限までに間に合うか自信がない」
こんな人は、『確実で効果的な対策』を意識した方がいいでしょう。
あらゆる対策を組み合わせ、いちばんお得な方法で相続を完了させるのです。
税理士報酬を上回るレベルで節税でき、最終的に得をするというケースも珍しくはありません。
いざという時は専門家を頼る。
後悔しない選択肢の一つとして頭に入れておきましょう。
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