財産評価

相続税の財産評価は、被相続人が残した財産の価値を適切に評価し、相続税を計算するための重要な手続きです。
原則として相続開始時(被相続人の死亡時)の時価によって行います。ただし、実務上は国税庁が定める「財産評価基本通達」に基づいて評価することが一般的です。
相続財産の評価方法について
不動産
| 土地 |
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|---|---|
| 建物 |
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| 借地権 |
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| 借家権 |
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有価証券の評価
| 上場株式 | 以下の4つの価格のうち最も低い価格を適用
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|---|---|
| 非上場株式 | 【原則的評価方法】 大会社:類似業種比準方式 中会社:類似業種比準方式と純資産価額方式の併用 小会社:純資産価額方式 【配当還元方式】 同族株主以外の株主等が取得した株式に適用される特例的方法 |
| 公社債 |
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現預金
| 預貯金 |
※名義預金の取り扱い 被相続人名義でない預金でも、実質的に被相続人の財産と認められる場合は相続財産に含まれます。 Ex)配偶者が生活費として受け取っていた預金も生活費としてすべて使いきれずためていた場合も含みます。 |
|---|
生命保険
| 保険金 |
【非課税枠の適用】 500万円 × 法定相続人の数 が非課税となります。 この非課税枠は相続人が受取人の生命保険金のみが対象です |
|---|---|
| 配当金等 |
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みなし財産について
みなし相続財産とは、相続もしくは遺贈(遺言書による贈与)によって受け取る財産ではなく、亡くなった方(被相続人)の死亡をきっかけとして受け取る財産のことです。
被相続人がかねてより持っていた財産ではなく、死亡後に相続人が受け取る「生命保険金」や「死亡退職金」などが税法上のみなし相続財産に当てはまります。
みなし財産の種類
1.生命保険金
被相続人が契約者であり、保険料を負担していた生命保険の死亡保険金は、受取人が相続人である場合、相続財産とみなされます。
※非課税限度額(500万円×法定相続人数)が設定されています。
2.死亡退職金
被相続人の死亡により支給される退職金や弔慰金も相続財産とみなされます。
※非課税限度額(死亡退職金は500万円×法定相続人数、弔慰金は一定の基準)が設けられています。
3.生命保険契約に関する権利
被相続人が生命保険契約の契約者であり、被保険者が他人である場合、その保険契約の解約返戻金相当額が相続財産とみなされることがあります。
4.定期金に関する権利
個人年金や収入保証付き保険など、定期的に金銭を受け取る権利
5.債務免除益
遺言により債務が免除された場合の免除額
6.低額譲渡による利益
遺言により時価より著しく低い価格で譲渡が行われた場合の差額
7.相続開始前3年以内の贈与財産
相続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産
これらのみなし相続財産は、相続税の計算上は相続財産に加算されます。ただし、民法上は相続財産とは扱われず、遺産分割の対象にはなりません。
相続財産にならないもの
1.生命保険金(受取人が指定されている場合)
被相続人が生命保険に加入していて、特定の受取人が指定されている場合、その保険金は受取人に直接支払われます。これは相続財産とはみなされず、遺産分割の対象にはなりません。
2.退職金や弔慰金(受取人が指定されている場合)
企業が被相続人の退職時や死亡時に支給する退職金や弔慰金についても、受取人が指定されている場合は、その受取人に直接支払われ、相続財産には含まれません。
3.遺族年金
被相続人の死亡により遺族が受け取る年金(例えば、遺族基礎年金、遺族厚生年金)は、相続財産とはならず、直接遺族に支給されます。
4.祭祀財産(仏壇、墓地など)
仏壇や墓地などの祭祀財産は相続財産ではなく、これらは相続人の中で祭祀承継者が引き継ぎます。
5.扶養義務に基づく財産
被相続人が生前に扶養していた家族への扶養料や生活費などは、相続財産として扱われません。
6.被相続人の固有の権利
被相続人の固有の人格権(例えば、名誉権、プライバシー権)は相続の対象とはならず、消滅します。

