【ペットに遺産相続】日本で実現可能?死後の不安を断ち切るヒント

こんにちは。相続税理士の天尾です。('ω')
今回のテーマは『ペットと相続』。
自分の財産を大事なペットに残したい!と思ってる人もいるのではないでしょうか。
人間だろうが動物だろうが、かけがえのない存在に変わりはありません。
相続が可能であるならば、ぜひ実行したいところですよね。
「ペットに遺産遺しはできるの?」
「自分がいなくなった後のお世話面も心配。。」
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こんな方はぜひ、読んでみて下さい。
この記事では、まず始めにペットの相続可否を。
次にペットの生活保障について解説していきます。
絶対に避けたいのは殺処分。
「きっと他の家族が大事にお世話してくれるだろう」
「家族がなんとかしてくれるだろう」
本当にそうでしょうか?
身内だからという理由は、何の保証にもなりません。
ペットのことを想い、将来の不安を取り除くためには行動が必要です。
この記事を参考に、解決策を見つけてみましょう。
【in日本】ペットは遺産を相続できるのか

残念ながら、日本ではペットに遺産を残すことはできません。
少し酷ですが、日本の法律では『動物=モノ』とされているためです。
『相続人』になれない以上、どんなに頑張ってもペットに相続させることは不可。
遺言書で指定しても無効となってしまいます。
しかし、打開策はあります。
代わりにお世話してくれる新しい飼い主に、飼育費用としての財産を残せばいいのです。
間接的ですが、ペットのためという目的は果たすことができます。
では、具体的な方法をお伝えしていきます。
【ペットの間接相続】新しいご主人様に財産渡し

新しい飼い主に財産を残す方法は、3つ。
2つの不安要素を踏まえた時のおすすめ度順に紹介していきます。
一番しっくりくる方法を見つけ対策してみましょう。
不安①:「ちゃんとお世話してくれるだろうか」
不安②:「残した財産はペットのために使ってくれるだろうか」
- ★☆☆【負担付遺贈】
- ★★☆【負担付死因遺贈】
- ★★★【信託制度】
★☆☆【負担付遺贈】☆☆★
遺言書で新しい飼い主を任命し、相続させる方法。
条件を受け入れてくれれば財産を差し上げますよ、という遺贈のやり方です。
3つの方法の中では手軽さNo.1。
ただし、遺言による突発的な指名のため、確実性に欠けます。
不安な人は監視役として、『遺言執行者』の選任も検討してみましょう。
お役立ちmemo【監視役】もCheck
【メリット】
- 遺言書を書くだけでOK
- 実行する難易度が低く、低コスト
【デメリット】
- 一方的な方法のため、飼い主候補の人が相続放棄するリスクがある
- 残した財産をペットのために使ってくれる保証はない
- 新しい飼い主が見つからないと実行できない
▲・Check!・▲
【注意点】
- 遺贈によって他の相続人の『遺留分』に影響する場合、新しい飼い主は請求される可能性がある
- 自筆の遺言書は、書き方次第で『無効』になる
- 友人などの第三者への遺贈は、相続税が『2割加算』される
★★☆【負担付死因贈与】☆★★
新しい飼い主とペットの飼育を条件に『贈与契約』を交わし、財産を渡す方法。
生きているうちに契約を行うことで、死亡後に財産が引き継がれます。
贈与はお互いの合意がなければ成立しません。
途中で投げ出されるリスクが激減するため、確実性が増すでしょう。
不安な人は、『遺言執行者』の選任も。
お役立ちmemo【口先での贈与はNG】もCheck
お役立ちmemo【監視役】もCheck
【メリット】
- 原則、贈与契約の撤回不可(相続放棄されない)
- 契約の上実行されるので、信頼性や確実性は高め
【デメリット】
- 合意がなければ成り立たない
- 残した財産をペットのために使ってくれる保証はない
- 新しい飼い主が見つからないと実行できない
▲・Check!・▲
【注意点】
- 他の相続人の『遺留分』に影響する場合、新しい飼い主は請求される可能性がある
- 友人などの第三者への遺贈は、相続税が『2割加算』される
★★★【信託制度】★★★
信頼できる人や信託会社に財産を預け、新しい飼い主に支給してもらう方法。
信託法によって手続きされた財産は、決められた目的にしか使うことができません。
つまり、大事なペットのためにしか使うことが許されないのです。
不安な人は監視役として、『信託監督人』も置いてみましょう。
お役立ちmemo【監視役】もCheck
【メリット】
- 費用が悪用されない
- 相続遺産の対象外なので、分割トラブルに巻き込まれない
- 死亡時に限らず、入院や施設へ入所した時の対応も依頼できる
【デメリット】
- 手続き費用がかかる
- 相続人の理解が得られないかもしれない
- 新しい飼い主が見つからないと実行できない
【ペット信託Q&A】
Q:飼い主が生きている間にペットが先に亡くなってしまった。預けた費用はどうなるの?
A:飼い主に戻されます。
Q:新しい飼い主の元でペットが天寿を全う。預けた費用が残っている時はどうなるの?
A:指定がない時は相続人へ振り分け。返金先を事前に指定することもできます。
★★・お役立ちmemo・★★
【監視役】
監視役を設置しておけば、不安要素対策ができます。
渡した財産の使い込みや飼育の放棄防止に役立つでしょう。
選ぶ人は信頼できる人はもちろん、弁護士などの専門家でもOK。
【遺言執行者】
- 負担付遺贈
- 負担付死因贈与
【信託監督人】
- 信託制度
★★・お役立ちmemo・★★
【口先での贈与はNG】
贈与行為には決まった方法はなく、口約束でも成立してしまいます。
あくまでお互いの合意があればOK、という認識なためです。
トラブル回避のためにも、契約はしっかりと書面で。
自分で作成しても良し、専門家へ依頼するのも良いでしょう。
なお、現金化するための不動産を贈与する場合、収入印紙が必要となります。
【行政書士】
- 費用を抑えたい人におすすめ!
【司法書士】
- 不動産を贈与したい人におすすめ!
【弁護士】
- 他の相続人とトラブルの可能性がある人におすすめ!
【税理士】
- 相続の対策も兼ねて行いたい人におすすめ!
【サンプル】負担付贈与契約書(現金Ver.)
【サンプル】負担付贈与契約書(不動産Ver.)
収入印紙について
新しいご主人様が見つからない時は

新しい飼い主についてのお悩みは、『信託制度』で解決できるかもしれません。
信託方法は2通り。
- 自分で次の飼い主を見つけ、自分で契約手続きを進める
- ペット信託を専門とする機関と契約し、手続きを進めてもらう
注目すべきは、後者。
ペット信託の専門機関では、新しい飼い主探しを引き受けてくれるところもあるのです。
また、飼育費用の準備が難しい人は『生命保険の利用プラン』の検討を。
死亡保険金が飼育費用となるため、まとまった資金がない人にも安心です。
ここでは、依頼や相談できる場所をいくつかご紹介。
気になるところがあれば問い合わせてみましょう。
▲・Check!・▲
【役所への相談はNG】
お住まいの役所では、里親探しの相談が可能です。
しかし、対応内容は保健所に預けること。
里親が見つからない場合、ペットは殺処分されてしまいます。
相談するなら、これから紹介する機関へ問い合わせをしてみましょう。
【ペット信託】で悩み解決!
NPO法人ペットライフネット【わんにゃお信託】

| 新しい飼い主探し | ○ |
|---|---|
| 生命保険利用 | × |
| 積み立てプラン | ○ |
| 入院時の対応(飼育サポートシステム) | ○ |
一般社団法人日本ペットトラスト協会【ラブポチ信託】
| 新しい飼い主探し | ○ |
|---|---|
| 生命保険利用 | ○ |
| 入院時の対応 | ○ |
三井住友銀行【おひとりさま信託】
| 新しい飼い主探し | △ ※1 |
|---|---|
| 生命保険利用 | △ ※2 |
※1(三井住友銀行が窓口となり、一般社団法人を紹介)
※2(三井住友銀行が指定する生命保険のみ)
NPO法人犬の里親探しサンタの家【ペット見守り信託】
| 新しい飼い主探し | おそらくあり |
|---|---|
| 生命保険利用 | ? |
| 入院時の対応 | ○ |
| 対応ペット | 犬のみ |
【その他の選択肢】もある
信託制度の利用以外でも、活用できるサービスはあります。
状況に応じ、選んでみるのもいいかもしれません。
公益財団法人【日本動物愛護協会】へ相談
犬や猫以外の特殊なペットについて、相談できるかもしれません。
気になる人は問い合わせてみましょう。
ペットと暮らせる老人ホームの利用
ペットとの時間をできるだけ長く過ごしたい人におすすめ。
信託には無いメリットが得られます。
お近くの動物病院へ相談
病院によっては、相談窓口として活動しているところもあります。
一度尋ねてみましょう。
ペットと相続のあれこれコラム

最後に、ちょっとだけ博識になれる知識をご紹介。
知っておけば、役に立つかもしれません。
遺贈や贈与したペット費用には相続税・◆
ペット自体に相続税はかかりません。
しかし、『飼育費用』は相続財産。
つまり、新しい飼い主は相続税を納めなければいけないのです。
ペットのことだけ考えていると、案外見落としがちかもしれません。
なお、信託制度利用で預けたお金は対象外。
税金面も理解した上で対策を考えてみましょう。
相続放棄した相続人⇒故人のペット飼育NG?・◆
先にお話したとおり、日本では『ペット=モノ』。
故人のペットは、相続財産ということになります。
では、相続放棄をした人はペットの飼育も出来ないのでしょうか?
答えとしては、『ほぼほぼ問題ない』です。
少し曖昧ですが、相続放棄後のペットの飼育について、法律で制限はされていません。
また、ペットを取り上げられ問題となった事例も聞きません。
さらに以下のような根拠からも、問題ないと判断できます。
- 法律により、相続放棄した人にも財産の保全・管理の義務がある
(『保全・管理』という理由から、ペットを飼うとすれば問題ないでしょう。) - 相続財産はあくまで『財産的価値』があるもの
(野良から飼っているペットは、まず問題ないでしょう。)
ただし、『処分』となると話は別。
例えば血統書付きで高額購入したペットを、売るなどという行為です。
場合によっては相続放棄ができなくなることも。
勝手に処分することだけはやめましょう。
アメリカではペットに相続権がある・◆
アメリカの多くの州では、ペットの相続が認められています。
2021年には、以下のような記事が取り上げられています。
とても大胆ですが、ペットのためにアメリカ移住という選択肢もアリかもしれません。
【最後に】この記事のまとめ

- ペットに直接、財産を【遺すことはできない】
- 間接的にペットに相続させるカギは、【遺贈】【贈与】【信託】の3つ
- 新しい飼い主候補がいない人は、【信託専門への依頼】がおすすめ
大事なペットのお悩み、解決方法は見つかったでしょうか?
生きているうちに、どれだけ備えられるかが超重要。
早めに対策しておけば、不安な日々を過ごす時間も短くなりますよね。
また、記事の中でもチラホラ目にする遺言書。
遺言書は相続対策として有効な手段ですが、自らの手で書く『自筆証書遺言』はあまりオススメ出来ません。
遺言書は正しく作らねば意味を成さず、『無効』となってしまうためです。
ただの紙切れとなってしまい、せっかくの備えも台無しになってしまうでしょう。
- 「確実に有効になる遺言書を遺したい」
- 「他にはどんな対策があるのか知りたい」
- 「せっかくなので、通常の相続の備えもしっかりしておきたい」
相続での悩み、アドバイスが必要な方は一度専門家へ相談してみましょう。
心配事は早めに潰すのがベスト。
それぞれの事情を診断し、ぴったりの対策ができるため安心です。
相談先のおすすめとしては、『ワンストップサービス』が利用できるところ。
あらゆる専門家と連携しているため、様々な問題に柔軟に対応してもらえるためです。
複数の専門家を行き来する必要がなくなる点も、魅力ポイントでしょう。
まずは無料相談からの利用でOK。
信頼できそうであれば正式に依頼し、対策してみましょう。
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