遺言書発見!相続税の手続きどうなる? 【楽しく学べるクイズ付き】

こんにちは。相続税理士の天尾です。('ω')
今回のテーマは『遺言書が見つかったときの相続税手続き』。

「遺言書を見つけたけど、どうしたらいいの?」
「何か特別な相続税の手続きって必要なの?」

このような人向けの内容となっております。

遺言書を発見したら何をすればいいのか?
ぜひ、この記事を参考に対処してみて下さい。('ω')

後半には遺言書クイズをご用意。
知識付けのお供として、目を通してみて下さい。

遺言書発見!相続税の手続きどうすればいいの?

遺言書が見つかっても、基本的な相続税の手続きは変わりません。
ただし、申告までにすべきことが増える場合もあり計画的な対策が必要となるでしょう。

注意してほしいことは、遺言書の発見時。
すぐに内容を確認したいところですが、勝手に開封することは絶対やめましょう。
法律で禁じられており、開けてしまった場合は5万円以下の罰金が発生することもあります。

まずは落ち着き、手続きの流れを確認しましょう。('ω')

相続税の申告&納付までの流れ

ご覧のとおり、遺言書には種類があり全部で3タイプ。
どの種類の遺言書が見つかったで手続きの流れが変わってきます。

見つかった遺言書がどれに当てはまるかを確認し、対処するようにしましょう。('ω')

遺言書は全部で3タイプ

動画派はこちら('ω')▼

レ 自筆証書遺言

故人が自分で書いた遺言書。
おそらく多くの人が想像している遺言書がこのタイプ。
書き終わった遺言書の保管方法はもちろん故人が決める。

レ 公正証書遺言

遺言内容を公証人に伝え、代理で作成してもった遺言書。
原本は公証役場に保管され、故人には控えが渡される。

レ 秘密証書遺言

自分で書いたあと公証役場へ提出し、存在証明してもらった遺言書。
自筆証書遺言とほぼ変わらないが、『遺言書が存在した事実』を残すことができる。
原本はそのまま故人に返却。
書かれている内容は公証人も知らない。

お役立ちmemo

『検認』って?

手書きの遺言書の存在を証明すること。
故人以外による偽造や改ざんが無いかをチェックします。
公正証書遺言のみ検認不要で、すぐに手続きを開始できます。

『公証人』って?

法律に超詳しい公務員。
元裁判官や法律事務の仕事をしてきた人が公証人に就きます。
豊富な知識と経験、守秘義務も課せられており信頼性は抜群。

封筒に入っていない遺言書はどうするの?

封がされていない遺言書もそのまま提出しましょう。

相続税の手続き前にcheck!遺言書ちゃんと探した?

無いと思って手続きを開始したら、後から出てきた!なんてケースもよくあります。
場合によっては、手続きのやり直しも。

「だけど、遺言書ってどうやって探したらいいの?」

それぞれの遺言書の発見方法を一覧でまとめました。
参考にし探してみましょう。

【遺言書タイプ】【発見方法】
自筆証書遺言

①自宅を探す

  • 金庫
  • 本棚
  • 仏壇や神棚
  • 鍵付きの引き出し

②外部に預けていないか

  • 身内のだれか
  • 友人
  • 生前お世話になっていた『先生』(弁護士、税理士、司法書士)
  • 生前お世話になっていた銀行
  • 法務局
公正証書遺言①公証役場で即発見
秘密証書遺言①公証役場で遺言書の『有無確認』をする
②自筆証書遺言と同じ手順で探す

公正証書遺言は公証役場で保管されているため、発見はかなり簡単。
自筆証書遺言と秘密証書遺言については、地道に探すほか手段はありません。

また、故人が残した遺言書が1種類だけとは限りません。
全ての遺言書を発見するためには、以下の手順で探すと効率がイイでしょう。('ω')

レ おすすめ手順

  1. まずは公証役場で『遺言書の存在』を確認
  2. 自宅を探す
  3. 外部を探す

なお、公証役場で確認できる人は相続人か代理人のみ。
だれでも確認できるわけではないので注意しましょう。

自筆証書遺言の保管制度

2020年7月10日から運用された制度。
自分で書いた遺言書を法務局に預けることができます。

  • 相続人に発見されない
  • 改ざん

このような遺言書の問題解決を目的に設置。
なお、家庭裁判所での検認は変わらず行う必要があります。

遺言書に異議あり!相続税申告前の分割問題

「貰える財産が他の相続人より、明らかに少ない。。」
「不動産だらけで相続税の支払いができない。。」
「すべての財産が愛人行きはチョット。。」

このような不平等な内容であっても、遺言書は『絶対』なのでしょうか?

答えは『No』。
遺言内容を変えて分配し直すことは可能です。

今回は2つの方法を紹介します。('ω')

①『遺産分割協議』

4つの条件をクリアしていれば、話し合いにより遺産の分配を決めることができます。

  • 遺言により遺産分割を禁止されていないこと
  • 相続人全員の同意があること
  • 相続人以外の同意&放棄意思があること
  • 『遺言執行の妨げにならないこと』または『遺言執行者の同意があること』

それぞれの解説については以下のとおり。('ω')

遺言で遺産分割を禁止されていないこと

遺言書で禁じられている場合、そもそも協議自体実行できません。
もう1つの方法である『遺留分侵害額請求』を検討してみましょう。

相続人全員の同意があること

1人でも反対がいれば変更は不可。
また、協議には全員参加が必須です。

相続人以外の同意&放棄意思があること

『土地aを友人Aへ遺贈する』
『土地bの半分を友人Bへ遺贈する』

このような遺言書がある場合、友人Aと友人Bには遺贈を放棄してもらう必要があります。
放棄された財産は相続人の元に戻り、協議で分配を決めるというわけです。

相続人以外の人が絡んでくる場合は、ハードルが高めと言えるでしょう。

『遺言執行の妨げにならないこと』または『遺言執行者の同意があること』

『遺言執行』とは、遺言での指示内容を現実化するため行動すること。

遺言書で指名された『遺言執行者』がいる場合、権利が与えられ実行することが出来ます。
相続人は、この執行を妨げるような協議や行動をしてはいけません。

可能であれば、『遺言執行者からの同意』を得ることをおすすめ。
トラブルも起こりにくく、格段に対策しやすくなるはずです。

とくに問題がないのであれば、遺言執行者に事情を説明してから協議するようにしましょう。

②『遺留分侵害額請求』

『遺留分』とは、最低限の遺産取り分のこと。
相続予定の財産額が保証された取り分より下回る場合、他の相続人から不足分を請求できます。

ただし、すべての相続人が使える権利ではないので注意しましょう。

『遺留分侵害額請求』ができる相続人・できない相続人

レ 配偶者
レ 直系尊属(子どもや孫、親や祖父母など)
× 兄弟姉妹や甥、姪

詳しい計算方法については、今回の記事では割愛させて頂きます。('ω')

気になる人は、下記サイトの自動シミュレーションで計算してみましょう!
簡単に分かるので便利です。

https://souzoku-pro.info/columns/iryubun/13/

『遺留分侵害額請求』はお早めに

『遺留分が侵害されたことを知った日から1年以内』にしなければいけません。
期限を過ぎると無効になるので注意しましょう。

何問解ける?これで今日から遺言書マスター

Q1

日付が書かれていない遺言書を発見!この遺言書は有効?無効?

Q2

3種類の遺言書の中でいちばん効果が大きいものは?

Q3

遺言書に書かれていない財産については無視してOK?

Q4

遺言書が2枚出てきた。有効になるのはどっち?

  • 遺言書A:「●財産は長男へ。▲財産は次男へ」2030.7.7
  • 遺言書B:「●財産は長男へ。▲財産は三男へ」2030.11.11

Q5

遺言書が3枚出てきた。有効になるのはどれ?

  • 遺言書A:「●財産は長男へ。▲財産は次男へ」2030.5.5
  • 遺言書B:「●財産は長男へ。★財産は長女へ。」2030.7.7
  • 遺言書C:「■財産は次女へ」2030.11.11

Q6

以下のような遺言書により友人Aは不動産をゲット。
この場合、相続税を支払う必要はある?ない?

遺言書:「友人Aに東京の土地をあげます」

答え&解説

Q1答え:『無効』

特定できない日付の書き方がされている場合も無効です。

× こんな書き方は無効
『2030年.7月吉日』

レ こんな書き方は有効
『2030年.七夕』、『2030年.7月末日』

また、日付は遺言書本文にあることが原則。
封筒だけに書かれているものは判断が非常に困難です。

専門家へ持っていき相談しましょう。

こんな遺言書も無効

  • 遺言者(故人)以外が書いたもの
  • 署名がないもの
  • 押印がないもの

Q2答え:『効力はどれも同じ』

作成方法は違えど、遺言書に変わりはありません。
ただし自筆の遺言書は手軽に作れる反面、無効になる確率がUP。

有効面で見れば、公正証書遺言がいちばん高いと言えるでしょう。

Q3答え:『遺産分割協議』

記載モレの財産は、相続人で話し合って分けなければいけません。
また、遺言書が書かれた時と内容や状況が変わっている場合も同様です。

Q4答え:『遺言書B』

日付の新しい方が有効となります。

Q5答え:『すべて有効』

それぞれの遺言書の内容が対立しなければ、全て有効になります。

Q6答え:『相続税納付は不要』

ただし、『不動産所得税』がかかる可能性があります。
以下2つの条件を満たした場合、課税対象です。

  1. 特定遺贈である
  2. 相続人以外の人への遺贈である

特定遺贈とは、指定された財産のこと。
今回の場合、すべての条件に当てはまるので不動産所得税の支払いが必要となります。

まとめ

  1. 『公正証書遺言以外』の遺言書は家庭裁判所へ
  2. 遺言書を探す手順は『公証役場→自宅→外部』がムダなし
  3. 『条件付きの遺産分割協議』で分配の変更可能
  4. 『遺留分以下』であれば請求による分配の変更可能

遺言書を発見したときの対処法はこれでバッチリ。
落ち着いて手続きすれば怖くは無さそうですよね。

しかし、記事でもお伝えしたとおり検認を必要とする遺言書もあります。

検認の結果が分かるまで約1ヶ月。
その間、相続手続きを進めることはできません。

本当の勝負は検認終了後。
残された短い期間で、すべての工程を終わらせなければいけないのです。

「何から手をつけていいか分からない」
「申告期限までに間に合うか不安」

こんな方は無理せず相続専門の税理士を頼りましょう。
専門家に任せることで対策はもちろん、心身の負担も軽減できます。

とは言え、いきなりの契約はNG。
まずは無料相談を活用し、信頼できそうな税理士か様子を見てみるとイイでしょう。

ぜひ、前向きな相続税対策のため参考にしてみて下さい。('ω')

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