【土地評価ガイド】~路線価編~21のケース別解説&計算例

こんにちは。相続税理士の天尾です。('ω')
今回のテーマは『路線価を使った土地評価』。
土地の評価は、基本的に専門家が行います。
価値を見極めるためには、知識と経験が必要となってくるためです。
とは言え、持っている土地がいくらの価値があるのか、気になる人もいるでしょう。
相続税の申告にも関わってくるため、参考程度でも知っておくことに越したことはありません。
「今すぐ土地の価値を知りたい」
「土地評価を自分でやってみたい」
「土地評価の仕組みをざっくり知りたい」
▼
こんな方はぜひ、読んでみて下さい。
土地の評価は専門家でなくとも、ある程度であれば自己評価が可能。
実際にやってみることで理解が深まり、より質の高い知識が身に付きます。
相続への備えとしても役立つため、一度はチャレンジしてみても良いかもしれません。
この記事を参考に、土地を評価してみましょう。
知ってる?
・・【令和2年の日本で一番高い路線価『4,592万円』の土地】・・
(興味がある人は動画もCheckしてみてね) ▼
◆・この記事を読む前に・◆
- 『土地が道路に接していること』を条件としている内容です。
- 本記事の計算結果と、実際の評価額は一致しない場合があります。
- 申告用の正式な評価額は、専門家へ相談しましょう。
【レベル選択】3つの難易度から選んで評価

『ざっくり』『そこそこ』『しっかり』の3つから選びましょう。
レベルが高い程必要な情報や計算量も増えます。
自分に合ったレベルを選び、評価開始してみて下さい。
『ざっくり』土地評価

こんな人は『ざっくり』評価してみよう
- 持っている土地の価値について全く知らない
- とりあえず大雑把に把握しておきたい
評価完了までの流れ
『2つ』の計算材料を集める
【路線価】 Check!
【面積】 Check!
計算式に当てはめる
◆・計算式・◆
【路線価】✕【面積】
『そこそこ』土地評価

こんな人は『そこそこ』評価してみよう
- 『ざっくり』では少し不安
- かと言って厳密な評価はしたくない
- 『ざっくり』評価は出来たので、チャレンジしたい
評価完了までの流れ
『3つ』の計算材料を集める
【路線価】 Check!
【面積】 Check!
【補正率α】 Check!
計算式に当てはめる
◆・計算式・◆
【路線価】×【面積】×【補正率α】
『しっかり』土地評価

こんな人は『しっかり』評価してみよう
- 実際の価値により近づいた結果が知りたい
- 本格的な対策をしたいので厳密に評価したい
- ざっくり、そこそこは出来たのでチャレンジしてみたい
評価完了までの流れ
『5つ』の計算材料を集める
【路線価】 Check!
【面積】 Check!
【補正率α】 Check!
【補正率β】 Check!
【加算額】 Check!
計算式に当てはめる
◆・計算式・◆
【路線価】×【面積】×【補正率α】×【補正率β】+【加算額】
土地評価のための計算材料①:【路線価】

2つのステップを踏み、路線価を確認してみましょう。
step① 『路線価図』を入手する
以下3つの方法から路線価図を入手しましょう。
【国税庁HP】から入手
正規な入手方法。
ただ、少し探しづらいかも。
【全国地価マップHP】から入手
郵便番号や地名で検索可能。
楽に検索したい人におすすめ。
【国税庁】【税務署】【国税事務所】から入手
直接訪問して入手する方法。
検索が苦手な人や相談しながら探したい人におすすめ。
step.② 【路線価】を確認
土地が接している道路を路線価図から探し、『数字+アルファベット』が記載されていることを確認します。
この数字部分が【路線価】。
つまり、1㎡あたりの土地価格を示しています。
ただし、『単位:千円』で表記されているためこのまま計算式に当てはめるのはNG。
数字部分に『¥1,000』を掛け、正しい価格に戻してから計算に使いましょう。
・・例題・・
路線価『300D』を価格に戻すと?

300 × ¥1,000
= ¥300,000(30万円)
A:『路線価(1㎡あたりの土地価格)』= ¥300,000(30万円)

【道路に何も書いていない時】
路線価はすべての道路にあるわけではありません。
エリアによっては、路線価が設定されていないところも。
路線価図での道路に何も書かれていない場合がそのケースです。
路線価がなければ、『路線価方式』で土地評価することはできません。
詳しいやり方については別途、解説します。
土地評価のための計算材料②:【面積】

土地の面積が分かる資料を準備しましょう。
計算レベルに合わせチェックしてみて下さい。
★★・お役立ちmemo・★★
【坪は㎡へ】
計算で使う面積単位は『㎡』。
『坪』表記の場合は、㎡へ変換してから計算しましょう。
『1坪』=『約3.3㎡』です。
◆・『ざっくり』&『そこそこ』・◆
以下を参考に、面積が確認できる資料を『どれか1つ』入手しましょう。
『しっかり』レベルで紹介している資料でもOKです。
『登記簿謄本』
・・Data・・
法務局で入手可能。
窓口、またはオンラインで手続きできます。
『固定資産税の納税通知書』
・・Data・・
登記簿謄本の面積が確認できます。
ただし、『現況地籍』と書かれている場合は一致しない可能性も。
気になる人は役場へ問い合わせてみましょう。
『賃貸借契約書』
・・Data・・
貸していたり借りている土地の場合に確認できる資料です。
『売買借契約書』
・・Data・・
購入した土地の場合に確認できる資料。
ただし、土地を測量せずに売買している場合は確認できません。
◆・『しっかり』・◆
しっかり評価したい場合は、『図面』が必須。
『形状』や『位置』などの情報も必要となるためです。
以下を参考に用意してみましょう。
また、土地評価に使う図面にはルールが設けられています。
より正確な評価をしたい人は、後述している『図面の使用ルール』もチェックしてみて下さい。
『地積測量図』
・・Data・・
図面の精度 ▶ ★☆☆ ~ ★★★
入手方法 ▶ 法務局にて
正確な土地の面積や形が分かる図面。
土地の『分割』、『面積の訂正』があった時に作成される。
すべての土地に対して存在するわけではないので注意。
作成時期が古いほど、精度は落ちる。
また、1960年以前の土地には存在しない。
『確定測量図』
・・Data・・
図面の精度 ▶ ★★★
入手方法① ▶ 自宅保管のものを探す
入手方法② ▶ 専門家に依頼し新規入手
隣の土地との境界線も確定させた、精度バツグンの図面。
個人依頼により作成されるため、法務局での入手不可。
紛失した場合は新たに取得しなければいけない。
『現況測量図』
・・Data・・
図面の精度 ▶ ★☆☆
入手方法① ▶ 自宅保管のものを探す
入手方法② ▶ 専門家に依頼し新規入手
アバウトな図面。
隣の土地との境界線は『だいたいレベル』。
個人依頼により作成されるため、法務局での入手不可。
紛失した場合は新たに取得しなければいけない。
『14条地図』
・・Data・・
図面の精度 ▶ ★★★
入手方法 ▶ 法務局にて
厳密な測量で作成された地図で、精度はかなり高い。
ただし、一部のエリアのものしか存在しない。
正式名称は、『不動産登記法第14条に規定する地図』。
『公図』
・・Data・・
図面の精度 ▶ ★☆☆
入手方法 ▶ 法務局にて
14条地図の代用。
明治時代の測量データをベースにしており、精度はかなり低い。
『不動産登記法第14条に規定する地図に準ずる図面』の1つ。
・・図面の使用ルール・・
その①
基本は法務局に登録されている『14条地図』か『公図』を使う。
その②
『地積測量図』『確定測量図』『現況測量図』がある場合、その面積を使わなければいけない。
つまり、実測していない場合は『14条地図』か『公図』。
実測していれば強制的に『地積測量図』『確定測量図』『現況測量図』の実測面積を使います。
実測した時点で『14条地図』や『公図』を使うことができなくなるので注意しましょう。
なお、土地の実測は義務付けられていなく、あくまで任意。
正確性を重視するなら、新規入手を視野に入れてみても良いかもしれません。
図面の優先順位
『14条地図』『公図』 < 『地積測量図』『確定測量図』『現況測量図』
【おすすめ】使用図面を決める手順
『地積測量図』が法務局にあるか?
▼
Yes
評価に使う
No
step②へ
『確定測量図』が自宅にあるか?
▼
Yes
評価に使う
No
step③へ
『現況測量図』が自宅にあるか?
▼
Yes
評価に使う
No
『14条地図』または『公図』を使って評価する
★★・お役立ちmemo・★★
【図面の測量費用】
『確定測量図』『現況測量図』は、専門家へ依頼すれば取得できます。
費用と図面精度など、バランスを見て決めてみましょう。
◆:『確定測量図』
35万円~45万円
・・補足・・
- 立ち合い必須
- 国が所有する土地に隣接している場合は『官民立会』が必要となり、60万円~80万円程に値上がり
◆:『現況測量図』
10万円~20万円
・・補足・・
- 立ち合い不要
- 土地の状態次第では、値上がりする可能性あり
土地評価のための計算材料③:【補正率α】

土地のタイプや利用状況によっては、評価額を下げることが出来ます。
代表的な例としては4つ。
当てはまるものがあればチェックし、補正率を計算してみましょう。
- No.1 『借りている土地』
- No.2 『貸家が建っている土地』
- No.3 『分譲マンションの敷地』
- No.4 『私道』
No.1 借りている土地
いわゆる『借地』。
【借地権割合】で補正され、評価額を下げることが出来ます。
◆・【補正率】の求め方・◆
step①
路線価図で『路線価のアルファベット』を確認
step②
路線価図に記載されている『借地権割合表』と照合
『借地権割合表』
| 路線価アルファベット | 借地権割合 |
|---|---|
| A | 90% |
| B | 80% |
| C | 70% |
| D | 60% |
| E | 50% |
| F | 40% |
| G | 30% |
◆・例題・◆
路線価:『300D』の借地権割合は?

◆:『アルファベット』
= D
◆:【借地権割合】
= 60%
A:『60%』(0.6)
No.2 貸家が建っている土地
『貸家建付地』と呼ばれる土地に適用できる補正。
自分の土地にアパートやマンション、貸家を建てて他の人に貸している土地が当てはまります。
◆・【補正率】の求め方・◆
1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合
※(小数第2位未満は切り捨て)
『借地権割合』
No.1 『借りている土地』 Check!
『借家権割合』
30%(一律)
『賃貸割合』
◆:計算式
入居中の部屋数 / 全体の部屋数
◆・例題・◆
以下のような条件の時の補正率は?

・・Data・・
路線価 ▶ 300C
全体の部屋数 ▶ 10部屋
入居中の部屋数 ▶ 8部屋
◆:『借地権割合』
= アルファベット:『C』
= 70%
◆:『借家権割合』
= 30%
◆:『賃貸割合』
= 入居中の部屋数 / 全体の部屋数
= 8部屋 / 10部屋
= 0.8
◆:【補正率】
= 1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合
= 1 - 0.7 × 0.3 × 0.8
= 0.832
(小数第2位未満切り捨て)
= 0.83
A:『0.83』
No.3 分譲マンションの敷地
購入した分譲マンションの土地であれば補正可能。
【持分割合】を計算式に当てはめます。
◆・【補正率】の求め方・◆
お手持ちの『売買契約書』で確認
No.4 私道
特定の人のみ利用している私道があれば、補正対象。
行き止まりになっている私道が当てはまります。
◆・【補正率】・◆
30%(一律)
・・こんな私道は補正対象?・・
公道に接している『通り抜け』の私道

A:『非課税』
不特定多数の人が利用する私道には相続税がかかりません。
『公共施設』へ通じる私道

A:『非課税』
相続税の対象外です。
『自分専用』の私道

A:『補正対象外』
評価額を下げることはできません。
土地評価のための計算材料その④:【補正率β】

『土地の状態』が条件に当てはまれば、評価額を下げることができます。
ここでは『11の補正率』をピックアップ。
当てはまるものがあれば全てチェックしましょう。
なお、No.1『すべての土地』は共通の補正です。
忘れないよう、まずはここから確認してみると良いかもしれません。
◆・補正率リスト・◆
※(当てはまるもの全てチェック)
※(No.1は全員チェック)
- ★No.1 『すべての土地』
- No.2 『いびつな形をしている土地』
- No.3 『道路への接し部が狭い土地』
- No.4 『道路から縦長な土地』
- No.5 『いびつな形&道路への接し部分が狭い土地』
- No.6 『いびつな形&道路への接し部が狭い&縦長な土地』
- No.7 『崖がある土地』
- No.8 『中間方位に崖がある土地』
- No.9 『2つの方位に崖がある土地』
- No.10 『土砂災害の危険がある土地』
- No.11 『崖&土砂災害の危険がある土地』
No.1 すべての土地【奥行価格補正率】
すべての土地に関わってくる補正。
道路からの距離、『奥行』に合わせて評価額を下げることができます。
奥行距離によっては補正されない場合もありますが(×1.00)、必ずチェックしましょう。
★・【奥行価格補正率】の求め方・★
step①
『奥行距離』を図面で確認
step②
『地区区分』を路線価図で確認
step③
『奥行価格補正率表』と照合
『地区区分』

『奥行価格補正率表』

(※一部抜粋)
◆・例題・◆
以下のような土地の【奥行価格補正率】は?

・・Data・・
地区区分 ▶ 普通住宅地区
◆:『奥行距離』
= 30m
◆:【奥行価格補正率】
= 『28m以上32m未満』&『普通住宅地区』
= 0.95
A:『0.95』
No.2 いびつな形をしている土地【不整形地補正率】
正方形や長方形の綺麗な形をしていない土地が該当。
使い勝手が悪く、評価額を下げることができます。
◆・【不整形地補正率】の求め方・◆
step①
『地積区分』を確認
step②
『想定整形地の面積』を計算
step③
『かげ地割合』を計算
step④
『不整形地補正率表』と照合
『地積区分』
『地積区分表』を見てA、B、Cのどれに当てはまるかを確認。

『想定整形地の面積』
正方形や長方形と仮定した時の面積。
道路から垂直に線引きをする。
『かげ地割合』
◆:計算式
(想定整形地の面積 - 実際の面積)/ 想定整形地の面積 × 100%
『不整形地補正率表』

◆・例題・◆
以下のような土地の【不整形地補正率】は?

・・Data・・
地区区分 ▶ 普通住宅地区
面積 ▶ 300㎡
◆:『地積区分』
= 普通住宅地区 & 500㎡未満
= A
◆:『想定整形地の面積』
= 20m × 30m
= 600㎡
◆:『かげ地割合』
=(600㎡ - 300㎡)/ 600㎡ × 100%
= 50%
◆:【不整形地補正率】
= 『普通住宅地区』&『A』&『50%』
= 0.79
A:『0.79』
No.3 道路への接し幅が狭い土地【間口狭小補正率】
間口距離とは、『道路に接している土地の辺の長さ』。
間口距離が狭ければ利便性が悪いと判断され、評価額を下げることができます。
◆・【間口狭小補正率】の求め方・◆
step①
『間口距離』を図面で確認
step②
『間口狭小補正率表』と照合
『間口狭小補正率表』

・・正しい間口距離は?・・
間口がナナメ

A:『短い方』が間口距離
間口が2つ

A:『a + b』
角切されている

A:『b』
高低差&間口の一部のみ使用

A:『a』
◆・例題・◆
以下のような土地の【間口狭小補正率】は?

・・Data・・
間口距離 ▶ 5m
地区区分 ▶ 普通住宅地区
◆:【間口狭小補正率】
=『4m以上6m未満』&『普通住宅地区』
= 0.94
A:『0.94』
No.4 道路から縦長な土地【奥行長大補正率】
奥行距離とは『道路からの距離』。
『奥行距離』が間口距離より長い土地であれば、評価額を下げることができます。
◆・【奥行長大補正率】の求め方・◆
step①
『奥行距離が間口距離の2倍以上』あることを確認
step②
『奥行長大補正率表』と照合
『奥行距離が間口距離の2倍以上』
◆:計算式
奥行距離 / 間口距離 = 2以上
『奥行長大補正率表』

◆・例題・◆
以下のような土地の【奥行長大補正率】は?

・・Data・・
奥行距離 ▶ 35m
間口距離 ▶ 10m
地区区分 ▶ 普通商業・併用住宅地区
◆:奥行距離が『間口距離の2倍以上』あるか?
= 35m / 10m
= 3.5(clear‼)
◆:【奥行長大補正率】
=『3以上4未満』(3.5)&『普通商業・併用住宅地区』
= 0.99
A:『0.99』
No.5 いびつな形&道路への接し幅が狭い土地【不整形地補正率】×【間口狭小補正率】
【不整形地補正率】と【間口狭小補正率】を併用し、評価額を下げます。
ただし、下限があるため注意。
◆・【補正率】の求め方・◆
【不整形地補正率】✕【間口狭小補正率】
※(最小『0.6』まで)
※ 例 ※
【不整形地補正率】0.6
【間口狭小補正率】0.97
◆:【補正率】
= 0.6 × 0.97
= 0.582
※(最小『0.6』まで)
= 0.6
A:『0.6』
【不整形地補正率】
No.2『いびつな形をしている土地』 Check!
【間口狭小補正率】
No.3『道路への接し幅が狭い土地』 Check!
No.6 いびつな形&道路への接し幅が狭い&縦長な土地【間口狭小補正率】×【奥行長大補正率】
【間口狭小補正率】と【奥行長大補正率】を掛け合わせ、評価額を下げます。
◆・【補正率】の求め方・◆
【間口狭小補正率】×【奥行長大補正率】
【間口狭小補正率】
No.3 『道路への接し幅が狭い土地』 Check!
【奥行長大補正率】
No.4 『道路から縦長な土地』 Check!
▲▼・Check!・▼▲
【3つの補正率が適用されるわけではない】
いびつな形の土地には通常、【不整形地補正率】が適用されます。
ただし、今回のように3つの条件が揃った時は例外。
他2つの補正率を掛け合わせたものが、【不整形地補正率】の代用となるのです。
単に3つの補正率が適用されるわけではないので注意しましょう。
No.7 崖がある土地【がけ地補正率】
崖があれば評価額を下げることができます。
『どの方位に崖があるのか』がポイント。
◆・【がけ地補正率】の求め方・◆
step①
『がけ地割合』を計算
step②
『がけ地補正率表』と照合
『がけ地割合』
◆:計算式
がけ地の面積 / がけ地を平たんと仮定した時の面積
『がけ地補正率表』

◆・例題・◆
以下のような土地の【がけ地補正率】は?

・・Data・・
がけ地の面積 ▶ 240㎡
崖がある方角 ▶ 東
◆:『がけ地割合』
= 240㎡ ÷ (30m × 20m)
= 240㎡ ÷ 600㎡
= 0.4
◆:【がけ地補正率】
=『0.40以上』&『東』
= 0.84
A:『0.84』
No.8 中間方位に崖がある土地【がけ地補正率】×平均
『南東』や『北西』など、混じった方位にある時は、通常のがけ地補正率が変化。
2方位の平均した補正率が適用されます。
◆・【がけ地補正率】の求め方・◆
step①
『がけ地割合』を計算
step②
『2方位のがけ地補正率』をそれぞれ確認
step③
『2方位のがけ地補正率の平均』を計算
『がけ地割合』・【がけ地補正率】
No.7 『崖がある土地』 Check!
『2方位のがけ地補正率の平均』
◆:計算式
( 方角Aの補正率 + 方角Bの補正率 )/ 2
※(小数第2位未満切り捨て)
◆・例題・◆
以下のような土地の【がけ地補正率】は?

・・Data・・
崖がある方位 ▶ 北東
がけ地の面積 ▶ 100㎡
◆:『がけ地割合』
= 100㎡ ÷ (20m × 20m)
= 100㎡ ÷ 400㎡
= 0.25
◆:『2方位のがけ地補正率』
『北』&『0.25』= 0.88
『東』&『0.25』= 0.91
◆:【がけ地補正率】
=(0.88+0.91)÷2
= 0.895
(小数第2位未満切り捨て)
= 0.89
A:『0.89』
No.9 2つの方位に崖がある土地【がけ地補正率】×加重平均
がけ地が2つの方位にある時に適用される補正率。
通常のがけ地補正率を加重平均し、評価額を下げます。
◆・【がけ地補正率】の求め方・◆
step①
『がけ地割合』を計算
step②
『2方位のがけ地補正率』をそれぞれ確認
step③
『方位別にがけ地面積で加重平均』する
『がけ地割合』・【がけ地補正率】
No.7 『崖がある土地』 Check!
『加重平均』
◆:step①
方位Aの補正率 × 方位Aのがけ地面積
◆:step②
方位Bの補正率 × 方位Bのがけ地面積
◆:step③
(① + ② )/ がけ地の合計面積
◆・例題・◆
以下のような土地の【がけ地補正率】は?

・・Data・・
崖① ▶ 西 & 80㎡
崖② ▶ 南 & 70㎡
◆:『がけ地割合』
=(80㎡ +70㎡)÷(25m × 16m)
= 150㎡ ÷ 400㎡
= 0.375
◆:『2方位のがけ地補正率』
『西』&『0.375』= 0.86
『南』&『0.375』= 0.88
◆:『加重平均』
=(0.86 × 80㎡ + 0.88 × 70㎡)/(80㎡ + 70㎡)
=(68.8 + 61.6)/ 150㎡
= 0.8693333....
(小数第2位未満は切り捨て)
= 0.86
A:『0.86』
No.10 土砂災害の危険がある土地【特別警戒区域補正率】
『土砂災害特別警戒区域』にある土地に適用される補正。
ただし、『土砂災害警戒区域』は対象外です。
◆・【特別警戒区域補正率】の求め方・◆
step①
『特別警戒区域の割合』を計算
step②
『特別警戒区域補正率表』と照合
『特別警戒区域の割合』
◆:計算式
特別警戒区域の面積 / 土地の全体面積
『特別警戒区域補正率表』

◆・例題・◆
以下のような土地の【特別警戒区域補正率】は?

・・Data・・
特別警戒区域にある土地面積 ▶ 80㎡
◆:『特別警戒区域の割合』
= 80㎡ ÷(20m × 20m)
= 80㎡ ÷ 400㎡
= 0.2
◆:『特別警戒区域補正率表』と照合
= 0.10以上
= 0.90
A:『0.9』
No.11 崖&土砂災害の危険がある土地【特別警戒区域補正率】×【がけ地補正率】
【がけ地補正率】と【特別警戒区域補正率】を掛け合わせ、評価額を下げます。
ただし、下限があるため注意。
◆・【補正率】の求め方・◆
【がけ地補正率】✕【特別警戒区域補正率】
※(最小『0.5』まで)
※ 例 ※
【特別警戒区域補正率】0.7
【がけ地補正率】0.7
◆:【補正率】
= 0.7 × 0.7
= 0.49
※(最小0.5まで)
= 0.5
A:『0.5』
【がけ地補正率】
No.7 『崖がある土地』 Check!
【特別警戒区域補正率】
No.10 『土砂災害の危険がある土地』 Check!
土地評価のための計算材料⑤:【加算額】

利便性が高い土地は価値が高まり、評価額がUPします。
以下の条件に当てはまる土地である場合はチェックしましょう。
◆・加算額リスト・◆
No.1 『道路に2辺接している角地』
No.2 『2つの道路に挟まれている土地』
No.1 道路に2辺接している角地【側方路線影響加算額】
『角地』は土地としての価値が高くなります。
接している道路をメインの『正面路線』、サブの『側方路線』に分けるのがポイント。
『側方路線』を基準に加算額を決めます。
◆・【側方路線影響加算額】の求め方・◆
step①
接している2辺の道路を『正面路線』と『側方路線』に分ける
step②
『側方路線影響加算率表』で加算率を確認
step③
step①:側方路線の値 × 加算率
『正面路線』と『側方路線』
◆:計算式
路線価 × 奥行価格補正率
★:(2つの道路をそれぞれ計算)
★:(金額の大きい方が『正面路線』、小さい方が『側方路線』)
【奥行価格補正率】
【補正率α】No.1 『すべての土地』 Check!
『側方路線影響加算率表』

『角地』と『準角地』
◆:『角地』
2辺が『2種類の道路』に接している土地
◆:『準角地』
2辺が『1種類の道路』に接している土地

補正率が変化するケース
以下に当てはまる場合、基本的な補正率を調整します。
リンク先の補正率を使って評価しましょう。
◆:ケース①
『側方路線に接している土地が一部の時』 Check!
◆:ケース②
『1つの道路に路線価が2つある時』 Check!
◆:ケース③
『2辺の地区区分がちがう時』 Check!
◆・例題・◆
以下のような土地の【側方路線影響加算額】は?

・・Data・・
道路A ▶ 100D
道路B ▶ 120D
地区区分 ▶ 普通住宅地区
土地タイプ ▶ 角地
◆:『正面路線』と『側方路線』
『道路A』
路線価 × 奥行価格補正率
= 100 × ¥1,000円 × 0.95
= \95,000
『道路B』
路線価 × 奥行価格補正率
= 120 × \1,000 × 1.00
= \120,000
『正面路線』=『道路B』
『側方路線』=『道路A』
◆:『加算率』
= 角地 & 普通住宅地区
= 0.03
◆:【側方路線影響加算額】
= 側方路線の値 × 加算率
= ¥95,000 × 0.03
= ¥2.850
A:『¥2,850』
No.1-① 側方路線に接している土地が一部の時
側方路線に対し、土地の一部だけ接しているケース。
接している割合を反映させ、加算額を調整します。
◆・【加算額】の求め方・◆
step①
『正面路線』と『側方路線』に分ける
step②
『側方路線影響加算表』で加算率を確認
step③
step①:側方路線の値 × 加算率 × 側方路線に接している割合
『側方路線に接している割合
◆:計算式
側方路線に接している辺の長さ / 辺全体の長さ
◆・例題・◆
以下のような土地の【加算額】は?

・・Data・・
道路A ▶ 100C
道路B ▶ 120C
地区区分 ▶ 普通住宅地区
◆:『正面路線』と『側方路線』
『道路A』
路線価 × 奥行価格補正率
= 100 × ¥1,000 × 1.00
= ¥100,000
『道路B』
路線価 × 奥行価格補正率
= 120 × ¥1,000 × 0.95
= ¥114,000
『正面路線』=『道路B』
『側方路線』=『道路A』
◆:『加算率』
= 角地 & 普通住宅地区
= 0.03
◆:【加算額】
= 側方路線の値 ✕ 加算率 ✕ 側方路線に接している割合
= ¥100,000 × 0.03 × 20m / 30m
= ¥2,000
A:『¥2,000』
No.1-② 1つの道路に路線価が2つある時
路線価が2つある道路の値を加重平均して求め、正面路線と側方路線を決めます。
路線分け以降の手順は通常どおりです。
◆・【加算額】の求め方・◆
step①
路線価を加重平均して『正面路線』と『側方路線』に分ける
step②
『側方路線影響加算率表』で加算率を確認
step③
step①:側方路線の値 × 加算率
路線価の加重平均
◆:計算式
路線価① × 接している長さ + 路線価② × 接している長さ / 全体の長さ
◆・例題・◆
以下のような土地の【加算額】は?

・・Data・・
道路A ▶ 120C
道路B ▶ 100C & 130C
地区区分 ▶ 普通商業・併用住宅地区
◆:『正面路線』と『側方路線』
『道路A』
路線価 × 奥行価格補正率
= 120 × ¥1,000 × 0.95
= ¥114,000
『道路B』
加重平均した路線価 × 奥行価格補正率
=(100 × ¥1,000 × 20m + 130 × ¥1,000 × 10m / 30m)× 1.00
=(¥2,000,000 + ¥1,300,000 / 30)× 1.00
= ¥110,000
『正面路線』=『道路A』
『側方路線』=『道路B』
◆:『加算率』
= 角地 & 普通商業・併用住宅地区
= 0.08
◆:【加算額】
= 側方路線の値 × 加算率
= ¥110,000 × 0.08
= ¥8,800
A:『¥8,800』
No.1-③ 2辺の地区区分がちがう時
加算率を『正面路線の地区区分』で決め、計算していきます。
その後の手順は通常どおりです。
◆・【加算額】の求め方・◆
step①
『正面路線』と『側方路線』に分ける
step②
『正面路線の地区区分』で加算率を確認
step③
step①:側方路線の値 ✕ 加算率
『加算率』
『正面路線の地区区分』で確認
◆・例題・◆
以下のような土地の【加算額】は?

・・Data・・
道路A
▶ 120D & 普通商業・併用住宅地区
道路B
▶ 100D & 普通住宅地区
土地タイプ
▶ 角地
◆:『正面路線』と『側方路線』
『道路A』
路線価 ×奥行価格補正率
= 120 × ¥1,000 × 0.93
= ¥111,600
『道路B』
路線価 ×奥行価格補正率
= 100 × ¥1,000 × 1.00
= ¥100,000
『正面路線』= 道路A
『側方路線』= 道路B
◆:『加算率』
= 正面路線の地区区分
= 角地 & 普通商業・併用住宅地区
= 0.08
◆:【加算額】
= 側方路線の値 × 加算率
= ¥100,000×0.08
= ¥8,000
A:『¥8,000』
No.2 2つの道路に挟まれている土地【二方路線影響加算額】
2つの道路を『表』と『裏』に分けることからスタート。
『裏の道路』を基準に加算額を決めます。
◆・【二方路線影響加算額】の求め方・◆
step①
接している2つの道路を『正面路線』と『裏面路線』に分ける
step②
『二方路線影響加算率表』で加算率を確認
step③
step①:裏面路線の値 × 加算率
『正面路線』と『裏面路線』
◆:計算式
路線価 × 奥行価格補正率>
★:(2つの道路をそれぞれ計算)
★:(金額の大きい方が『正面路線』、小さい方が『裏面路線』)
【奥行価格補正率】
【補正率α】No.1 『すべての土地』 Check!
『二方路線影響加算率表』

補正率が変化するケース
以下に当てはまる場合、基本的な補正率を調整します。
リンク先の補正率を使って評価しましょう。
◆・例題・◆
以下のような土地の【二方路線影響加算額】は?

・・Data・・
道路A ▶ 200C
道路B ▶ 300C
奥行距離 ▶ 30m
地区区分 ▶ 普通住宅地区
◆:『正面路線』と『裏面路線』
『道路A』
路線価 × 奥行価格補正率
= 200 × ¥1,000 × 0.95
= ¥190,000
『道路B』
路線価 × 奥行価格補正率
= 300 × ¥1,000 × 0.95
= ¥285,000
『正面路線』=『道路B』
『裏面路線』=『道路A』
◆:『二方路線影響加算率』
= 普通住宅地区
= 0.02
◆:【二方路線影響加算額】
= 裏面路線の値 × 加算率
= ¥190,000 × 0.02
= ¥3,800
A:『¥3,800』
No.2-① 裏面路線に接している土地が一部の時
裏面道路に接している割合を計算式に追加し、接していない分を減額調整します。
一部接触している道路が、『正面路線』の場合は調整できないので注意。
◆・【加算額】の求め方・◆
step①
『正面路線』と『裏面路線』に分ける
step②
『二方路線影響加算率表』で加算率を確認
step③
step①:裏面路線の値 × 加算率 × 裏面路線に接している割合
『裏面路線に接している割合』
◆:計算式
裏面路線に接している辺の長さ / 辺全体の長さ
◆・例題・◆
以下のような土地の【加算額】は?

・・Data・・
道路A ▶ 200C
道路B ▶ 300C
地区区分 ▶ 普通商業・併用住宅地区
奥行距離 ▶ 30m
◆:『正面路線』と『裏面路線』
『道路A』
路線価 × 奥行価格補正率
= 200 × ¥1,000 × 1.00
= ¥200,000
『道路B』
路線価 × 奥行価格補正率
= 300 × ¥1,000 × 1.00
= ¥300,000
『正面路線』= 道路B
『裏面路線』= 道路A
◆:『加算率』
= 普通商業・併用住宅地区
= 0.05
◆:【加算額】
= 裏面路線の値 × 加算率 × 裏面路線に接している割合
= ¥200,000 × 0.05 × 15m / 40m
= ¥3,750
A:『¥3,750』
【最後に】この記事のまとめ
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- 土地の基本的な評価額は、【路線価】×【面積】で求める
- 土地の利用目的によっては、評価額を下げることができる
- 利便性が低い土地は、評価額を下げることができる
- 利便性が高い土地は、評価額が上がる
土地の評価は、ある程度であれば自分で行うことができます。
参考価格をあらかじめ知っておけば、早めの対策が可能に。
やるべきことも明確となり、余裕のある相続手続きに役立つでしょう。
しかしすでにお察しのとおり、土地の評価はとても複雑で一筋縄ではいきません。
日照時間や騒音など、実際の評価ではもっと細かい要素が絡んでくることもあります。
計算式に当てはめたテンプレート算出だけでは、正しい評価額を出すことは難しいのです。
間違った評価額は申告ミスの原因にもなります。
税務署から指摘を受ければ、ペナルティ。
ムダな支出が増えてしまうため、個人で評価を完結してしまうのはおすすめ出来ません。
相続財産に土地がある方は、やはり専門家へ相談するのが得策。
相談先が見つからずお困りの方は、ぜひ一度お気軽にご相談下さい。
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