【遅刻NG】いつまで?相続税の申告期限 激辛ペナルティと救済法2選

こんにちは。相続税理士の天尾です。('ω')
今回のテーマは、『相続税の申告期限』。
申告期限を過ぎるとロクなことがなく、相続人にとってはデメリットしかありません。
「相続税の申告期限っていつまで?」
「遅れるとどんなペナルティがあるの?」
こんな方はぜひ、読んでみて下さい。
期限遅れは大怪我の素。
知らなかったという理由で、ペナルティから逃れることはできません。
さらに、遅れそうな時の救済法もご紹介!
事前に対応の術を知っておくことで、緊急事態にも慌てず対応できちゃいます。
この記事を参考にし、ムダのない相続にしていきましょう!
相続税の申告期限っていつまで?

相続税の申告期限はズバリ、『死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内』。
納付期限も同じです。
この期限内に申告と納付の両方を済ませる必要があります。
注意点として、基準はあくまでも『死亡を”知った日”』。
『死亡した日』ではないことを覚えておきましょう。
【激辛】申告期限に遅れたときのペナルティ

「財産評価がなかなか終わらない」
「遺産総額は確定したが、分割が決まらない」
よく見られる、申告期限に間に合わない二大要素。
期限に遅れてしまうと厳しい罰則により、納める相続税が増えてしまいます。
内容としては2つ。
- ペナルティ料金が加算
- 相続税軽減の特例が使えない
それぞれ簡単に解説していきます。
ペナルティ料金加算で相続税UP
期限に遅れた場合、通常どおり相続税を納めるだけでは終わりません。
ペナルティとして、新たに【加算税】や【延滞税】が発生。
本来納めるべき相続税にプラスされ、相続税がUPしてしまうのです。
ペナルティ料金は全部で3パターン。
- 無申告加算税
- 延滞税
- 重加算税
状況により、加算されるタイプが変わってきます。
無申告加算税
こんなとき
期限までに【申告】しなかったとき
ペナルティ料金
本来の相続税 × 5%~20%
補足
- 加算割合は、【申告のタイミング】と【本来の相続税額】で決まる
| 50万円以内の部分 | 50万円を超える部分 | |
|---|---|---|
| い. 税務署からの通知前 | 5% | 5% |
| ろ. 税務署からの通知後 | 10% | 15% |
| は. 税務調査後 | 15% | 20% |

延滞税
こんなとき
期限までに【納付】しなかったとき
ペナルティ料金
本来の相続税 × 延滞税率 × 滞納日数
補足
- 延滞税率は毎年変わる
- 『期限から2ヶ月経過しているかどうか』で延滞税率は変わる
- 納付に加え、申告もしていない場合は【無申告加算税】と重複
重加算税
こんなとき
隠ぺいなど、【悪意】により申告しなかったとき
【悪意】による【嘘】の申告をしたとき
ペナルティ料金
本来の相続税 × 40%
補足
- 無申告加算税の代わりに重加算税が適用される
(※【無申告加算税】とは重複しない)
特例が使えず相続税UP
『申告期限内に申告を行うこと』が条件になっている特例が使えません。
代表的な特例としては以下。
- 小規模宅地等の特例
- 農地の納税猶予
相続税を減らす特例が使えないのはかなり痛手。
とくに『小規模宅地等の特例』は最大80%も減税できます。
特例を使う予定がある人は注意しましょう。
【2つの救済法】申告期限前ならまだ助かる

申告期限が過ぎてしまった場合、正当な理由が無い限りペナルティから逃れることは出来ません。
しかし、期限までの日にちが残っているのであれば、助かる方法がまだあります。
「ペナルティは絶対にイヤ!」
そんな方は必見。
ムダな出費をせずに済むかもしれません。
【救済法①】
対処法
財産額を概算で出し、とりあえず多めに納税する
こんな人におすすめ
財産評価が終わってない人
ポイント
- とにかく期限内に一旦納税する
- 必ず『多め』に納税する
補足
- 多く納めた分は後日、『更生の請求』という手続きをすれば返してもらえる
注意
- 少なく納税してしまうと、【過少申告加算税】がプラスされてしまう
- 『申告期限内での申告』が条件になっている特例は使えない
(【小規模宅地等の特例】や【農地の納税猶予】など)
【救済法②】
対処法
『未分割申告』をする
【申告期限後3年以内の分割見込書】を提出する
こんな人におすすめ
財産評価は終わったが、遺産分割が終わっていない人
ポイント
- 『未分割申告』とは、法廷相続分で分割した時の相続税で申告&納税すること
- 分割が決まったら改めて申告し、相続税の誤差を調整する手続きをする
◆【最初の相続税 > 正式な相続税】な人は
『更生の請求』で過払い分の還付手続き
◆【最初の相続税 < 正式な相続税】な人
『不足分』の支払い
補足
- 『申告期限後3年以内の分割見込書』を提出すれば、期限後でも特例が使える
注意
- 【更生の請求】手続きは、遺産分割日の翌日から『4ヶ月以内』にしなければいけない
【備えたもん勝ち】申告期限に遅れない3つのポイント

何かとやることが多い相続税の手続き。
少しずつ準備をしていけば、期限に遅れることも防げるはずです。
ここでは、『申告期限に遅れない3つのポイント』をご紹介。
備えあれば憂いなし。
事前対策で自分の身を守りましょう。
【遅れないポイント①】財産&相続人を知る

- どんな財産がどれだけあるのか?
- 相続人はだれなのか?
そもそもこの2つをハッキリさせなければ、何も始めることは出来ません。
相続税の金額は、遺産額と相続人によって決まるからです。
この2つの調査には時間がかかります。
遺産が多い人や土地がある人、家系が複雑な人は、さらに時間が必要となってしまいます。
そこでおすすめな対策は、『相続発生前』の調査。
事前に把握しておくことで、いざという時の手続きが格段に楽になります。
【遅れないポイント②】スケジュール管理

葬式を始め、相続税の手続き以外でもやるべきことはたくさん。
期限までの10ヶ月なんて、あっという間に過ぎてしまいます。
【どの手続きをいつまでに】すべきか、ザックリと頭に入れておきましょう。
全体の流れを掴んでおくことでグッと行動しやすくなります。
| 期限 | |
|---|---|
| 死亡届 | 死亡を知った日から7日以内 |
| お葬式 | |
| 相続放棄 | 死亡を知った日から3ヶ月以内 |
| 準確定申告(故人の所得税の申告&納付) | 死亡を知った日から4ヶ月以内 |
| 相続税申告&納付 | 死亡を知った日から10ヶ月以内 |
【遅れないポイント③】ムリしない

- 「自分でやってみようと思ったけど苦戦している」
- 「手続き方法を調べてみたけど、合っているか不安」
- 「そもそも書類が苦手」
- 「手続きのための時間確保が難しい」
相続税の手続きは、必ずしも自分一人だけの力でやる必要はありません。
自分だけで解決が難しいようであれば、専門家を頼ってしまうのも一つの手でしょう。
もちろん、報酬は発生します。
ですが、相応のメリットがたくさん得られます。
無理やり行って申告ミス。
結果的にペナルティ対象となってしまっては大損です。
ご自身を守る選択肢として考えてみてもいいかもしれません。
税理士へお願いするメリット
- 期限までに手続き完了できる
- 申告モレやミスを防ぐことができる
- 相続税がおトクになる減税対策ができる
- 税理士の選び方についてはこの記事をチェック!
【最後に】この記事のまとめ

- 相続税の申告期限は、【死亡を知った日から10ヶ月以内】
- 期限に遅れると、【ペナルティ】と【特例利用不可】で相続税UP
- 【多めに申告】か【未分割申告】すれば、お咎めなし
- 【申告期限後3年以内の分割見込書】を提出すれば、特例を使える
- 期限遅れは【事前準備】で対策。厳しいと判断したら【専門家へ相談】
相続税の申告期限は何が何でも守るべき。
期限まであまり時間がなくても、相応の対処をすることで罰則を回避することも出来るでしょう。
しかし、今回紹介した記事が全てではありません。
例えば、ペナルティ料金を支払った方が傷が浅く済むケースだって存在します。
相続は十人十色。
相続人それぞれの事情を考慮し、より良い方法を見つける必要があるのです。
不安や疑問がある人は、『相続専門』の税理士へ一度相談してみましょう。
より良い選択肢を見つける手段として、頼ってみるのも悪くはないのでしょうか?
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