相続税の対象外!非課税な控除財産って?減税制度7つもご紹介

こんにちは!相続税理士の天尾です。('ω')
今回のテーマは相続税がかからない『控除対象』の財産。
相続税は、単に受け継いだ財産だけで計算されるわけではないのです!
「相続税がかからない財産って?」
「お得にできる制度が知りたい!」
こんな方はぜひ、読んでみて下さい。
さらに、知らなきゃ損する相続税の『控除制度』もご紹介。
知らないまま相続税を多く支払うなんて、勿体ないですよね。
納める相続税が不足しているのは問題ですが、何も余分に支払う必要はありません。
削れる部分は遠慮なく削り、徹底的にお得にしていきましょう!
【相続税の対象外】課税されない控除財産って?

父が1億円の財産を残し、他界したとしましょう。
相続税はこの1億円に対して計算されるのでしょうか?
答えは『NO』。
1億円から『対象外』を引き、残った財産に対して相続税を支払います。
対象外は大きく2種類。
詳細は以下のとおりです。
その①【マイナス財産】&【葬式費用】
故人の負債や未払い金、葬式費用は課税対象外。
相続財産から引き、残った財産にだけ相続税が発生します。
負債・未払い
- 銀行からの借入金
- 個人的な借金
- 未払いの医療費
- 固定資産税や住民税、所得税
葬式費用
- 通夜~納骨までの葬儀一式費用
- 遺体搬送費用
- 葬儀関連の飲食費
- お布施
- 心づけ
▲・Check!・▲
【『対象外』の対象外もある】
財産額から差し引くことができないものもあります。
混同しないように注意しましょう。
- 故人の『生前中に』支払った医療費
- 故人の『生前中に』料金が確定し、請求されている各種料金
- 香典返し
- 生花、盛籠
- 墓石、仏壇、位牌の購入費用
- 初七日、四十九日の法事費用
その②【プラス財産】
プラス財産でも相続税がかからないものがあります。
対象外は3種類。
詳細は以下のとおりです。
死亡保険金
死亡保険金には『非課税枠』が用意されており、枠内に収まれば相続税はゼロ。
はみ出た部分のみ課税対象となります。
◆・非課税枠・◆
500万円 × 法廷相続人の数
例
- 【受け取った生命保険金】5,500万円
- 【法定相続人】3人
500万円 × 3人 = 1,500万円
5,500万円 - 1,500万円 = 4,000万円
『4,000万円』が課税対象
死亡退職金
死亡保険金と同じように、『非課税枠』が用意されています。
枠内を超えた部分のみ課税対象です。
◆・非課税枠・◆
500万円 × 法廷相続人の数
例
- 【受け取った死亡退職金】700万円
- 【法定相続人】2人
500万円 × 2人 = 1,000万円
700万円 < 1,000万円
相続税の対象外
先祖を祭る礼拝物
- お墓
- 墓地
- 仏壇
- 仏具
- 神具
【7つの減税】相続税減るお得な制度

対象外を除外したら、次は減税。
支払う相続税の金額を減らせる、お得な制度を忘れずに使いましょう。
ここでは、『7つの税額控除』を簡単にご紹介。
適用できるかどうか、ざっくり目を通してみて下さい。
また、相続税の計算には欠かせない『基礎控除』についても簡単にまとめています。
よく分からないという方は、併せてチェックしてみて下さい。
なお、控除制度は『相続人ごと』に適用されます。
◆・税額控除で相続税を減らすイメージ・◆

【menu】
- 【基礎控除】
- No.1【配偶者の税額軽減】
- No.2【未成年者の税額控除】
- No.3【障害者控除】
- No.4【贈与税額控除】
- No.5【相似相続控除】
- No.6【外国税額控除】
- No.7【寄付金控除】
【基礎控除】
相続人であれば誰でも使える基本的な控除。
相続税の計算は、基礎控除でトータル財産額を減らすことから始めます。
財産額が基礎控除額以内であれば、相続税はゼロです。
【基礎控除額】
3,000万円 + 600万円 × 法廷相続人の数
No.1【配偶者の税額軽減】
故人の妻や夫が使える控除制度。
内縁の妻や夫、愛人などは使うことが出来ません。
算出された相続税額から差し引きます。
【控除額】
1億6,000万円までの相続税
No.2【未成年者の税額控除】
20歳未満の相続人が使える控除制度。
相続した時点で未成年者であることが条件です。
算出された相続税額から差し引きます。
【控除額】
20歳になるまでの年数 × 10万円
◆:計算例(相続人の年齢が12歳のとき)
【20歳になるまでの年数】
= 20 - 12
= 8年
【控除できる相続税額】
= 8年 × 10万円
= 80万円
No.3【障害者の税額控除】
相続人が障害者や特別障害者の場合に使える制度。
相続した時点で障害者であることが条件です。
算出された相続税額から差し引きます。
【『障害者』の控除額】
85歳になるまでの年数 × 10万円
【『特別障害者』の控除額】
85歳になるまでの年数 × 20万円
◆:計算例(相続人の年齢が30歳のとき)
【85歳になるまでの年数】
= 85 - 30
= 55年
【控除できる相続税額】
◆:障害者の場合
= 55年 × 10万円
= 550万円
◆:特別障害者の場合
= 55年 × 20万円
= 1,100万円
No.4【贈与税額控除】
『過去3年以内に』贈与税を支払った相続人が使える控除制度。
税金の二重払いを防止します。
【控除額】
支払い済みの贈与税全額
No.5【相次相続控除】
故人が以前の相続で取得した財産が、今回の相続財産である時に使える制度。
連続で相続財産が動いている場合に適用されます。
条件としては大きく2つ。
- 前回の相続~今回の相続までの期間が『10年以内』
- 故人が以前の相続で、相続税が課税されている
【控除額】
A × C/B-A × D/C ×(10-E)/10
【A】故人が『前回の相続』で支払った相続税
【B】故人が『前回の相続』で取得した純資産価額
【C】『今回の相続』の純資産価額の合計
【D】『今回の相続』で取得した、相続人それぞれの純資産価額
【E】前回の相続~今回の相続までの期間
※純資産価額とは、プラスの財産から債務や葬式費用を引いた金額
※前回の相続からの経過期間については、1年未満は切り捨て
◆:計算例
前回の相続
【亡くなった人】:祖父
【相続開始日】:令和4年2月1日
【相続人】:子2人(父、父の弟)
【純資産価額】:1億円
【父が相続した純資産価額】:5,000万円
【父が支払った相続税】:385万円
今回の相続
【亡くなった人】:父
【相続開始日】:令和6年4月1日
【相続人】:子2人(子1、子2)
【純資産価額】:2憶円
【子1が相続した純資産価額】:1億2,000万円
【子2が相続した純資産価額】:8,000万円
子1の控除額
【A】385万円
【B】5,000万円
【C】2憶円
【D】1憶2,000万円
【E】2年(1年未満切り捨て)
◆:控除額
= 385万円 × 2億円 /(5,000万円 - 385万円) × 1憶2,000万円 / 2億円 ×(10 - 2年)/ 10
= 385万円 × 2億円 / 4,615万円 × 0.6 × 0.8
= 約800万円
子2の控除額
【A】385万円
【B】5,000万円
【C】2憶円
【D】8,000万円
【E】2年(1年未満切り捨て)
◆:控除額
= 385万円 × 2億円 /(5,000万円 - 385万円) × 8,000万円 / 2億円 ×(10 - 2年)/ 10
= 385万円 × 2億円 / 4,615万円 × 0.4 × 0.8
= 約533万円
No.6【外国税額控除】
海外にある財産を相続した時に使える控除制度。
日本で課税される相続税を減らすことができます。
海外に対し相続税を支払っていることが条件。
【控除額】※(少ない方の金額が適用)
①海外へ支払った相続税額
②日本での相続税額 × 相続した海外の財産割合
【相続した海外の財産割合】= 海外の財産額 ÷ 全財産額
◆・計算例・◆
【相続した日本の財産額】5億円
【相続した海外の財産額】5億円
【海外で支払った相続税】1億円
【日本での相続税】1億5,000万円
◆:①海外へ支払った相続税額
= 1億円
◆:②日本での相続税額 × 相続した海外の財産割合
= 1億5,000万円 × (5億円 ÷ 10億円)
= 7,500万円
◆:控除額
= ① > ②
= 7,500万円
No.7【寄付金控除】
相続した財産を、国や特定の地方公共団体などに寄付した時に使える控除制度。
所得税や住民税も減額できます。
【控除額】
寄付した相続財産額 × 相続税率
◆:【相続税率】= 課税対象となる遺産総額を基にした税率
- 対象外財産の控除、基礎控除をした後の残りの遺産額が課税対象額
- (例)課税対象の遺産総額が4,000万円のときの税率は20%
国税庁HP:【相続財産を公益法人などに寄附したとき】
国税庁HP:【相続税の税率】
◆・計算例・◆
【寄付した相続財産額】300万円
【課税対象の遺産総額】8,000万円
◆:相続税率
= 『国税庁HP:【相続税の税率】』より
= 30%
◆:控除額
= 300万円 × 30%
= 90万円
相続税を余分に支払ってしまったら?

「本当は控除できたのに、もう払っちゃった!」
多く支払った分は、手続きすれば返してもらえます。
ただし期限があり、過ぎてしまうと二度と戻ってこないので注意しましょう。
◆・手続き期限・◆
【相続を知った時から5年10ヶ月】
なお、税務署から通知が来るのは相続税が『不足』している時のみ。
多く納めている分に関しては、一切連絡は来ません。
過払いに関しては、自らアクションしなければいけないことを覚えておきましょう。
【最後に】この記事のまとめ

- 故人の【借金】【葬式費用】は相続税の対象外
- 非課税枠内の【生命保険金】や【死亡退職金】は相続税の対象外
- 【墓】や【仏壇】など、先祖を祭るためのものは相続税の対象外
- 【税額控除】をしっかり適用させることで、相続税を減額できる
- 相続税を過払いした時は、期限内に手続きすれば返してもらえる
少しとっつきにくい税金の話。
今回の記事で、少しだけ相続税を知ってもらえたら嬉しく思います。
相続税の申請や手続きは、もちろん皆さん自身で行うことは可能です。
しかし、計算ミスなどで申告漏れがあった場合はペナルティ。
不足分に加え、追加で税金を支払わなくてはいけません。
- 「いろんな制度があり過ぎて、把握しきれない」
- 「自分たちだけで対応できるか不安」
- 「どうすれば一番お得に相続が終えられるか知りたい」
相続での悩み、アドバイスが必要な方は一度専門家へ相談してみましょう。
とくに、節税したい人やトラブル回避したい人は必須級。
自力では難しい、あらゆる問題を効率よく解決できるでしょう。
まずは無料相談を利用し、様子を見てみるのも一つの手。
信頼できそうであれば正式に依頼し、対策していきましょう。
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